夕星 13
「痛いっ!カカシさん、痛い!・・どこへ行くんですか!?」
イルカ先生の腕を掴むと林の中を突き進んだ。
下駄を履いたイルカ先生が落ち葉や小石に足を取られる。
「カカシさん・・っ」
不安そうな声な声が聞こえた。
旅館への帰り道、何も言わずイルカ先生を林の中に引っ張った。
人を避け、光の届かない所へと突き進む。
「カカシさん・・、どうしたんですか?カカシさんっ、・・カカシさんって・・!」
逃げようとする手を強く掴んで木の幹にイルカ先生の体を押し付けた。
「いっ・・た・・!カカ――」
痛みに顔を顰めたイルカ先生が何か言う前に、唇を押し付けて口を塞いだ。
驚いたイルカ先生が一瞬動きを止めるが、すぐに抗うようにもがき始める。
「カカシさん!こんなところで――」
体を押し返そうとする手を払って、頭の後ろを掴む。
もごもご話そうとする歯の間に舌を差し込んで、口の中を蹂躙した。
深く、貪るような口吻けにイルカ先生が仰け反る。
イルカ先生の持っていたビニール袋が手から離れて、静かな林の中でガサッと大きな音を立てた。
びくっと震えたイルカ先生に唇を離す。
はふはふと呼吸を荒げていたイルカ先生がキッとオレを睨んで、それから戸惑うように瞳から力を無くした。
「カカシさん、どうしちゃったんですか・・?」
イルカ先生の手がオレの頭を撫ぜる。
それにたまらない気持ちになって頭を振ると、イルカ先生の懐を割った。
浴衣を左右に広げて胸を露にすると、暗闇の中で見つけた小さな突起に吸い付く。
「あっ」
ひくんと震えた体に顔を押し付けると、乳輪を吸い上げ、乳首に歯を立てた。
「やだっ!カカシさん、やだっ!」
イルカ先生の声に興奮する。
「黙って。あんまり声大きくすると人が来るよ?」
イルカ先生の背後に視線をやる。
木々の隙間から光が届き、それを横切る人影が見えた。
イルカ先生に視線を戻すとキッと睨みつけられて、髪を引っ張られた。
「カカシさん、嫌です!」
イルカ先生の嫌は本気の嫌で可愛らしさなんて微塵もない。
「ヤダ、やめない。今すぐイルカ先生を抱きたい」
宣言すると手っ取り早くイルカ先生をその気にさせるために、裾を割って手を侵入させると太腿を撫ぜた。
跪いて顔を押し付けようとすると、イルカ先生に掴まれた髪がぶちぶちと抜ける。
ぱっと手が離れ、イルカ先生が必死に乱れた裾を合わせようとするが、構わずひん剥いてパンツを下ろした。
「やだっ!!」
目の前に緩く飛び出たものに、イルカ先生の必死の抵抗はこれを見られたくなかったからかなと思う。
どんなに嫌がってもイルカ先生の体はオレに反応して勃ち上がる。
目元を羞恥に染めて、歯を食いしばって耐えるイルカ先生のきつく閉じられた瞼に涙が滲んだ。
それを見ながら口を開くと、ゆっくりイルカ先生を先端から含む。
「ひっ・・」
しゃくり上げるようにイルカ先生の体が跳ねるが、止める気などまったくなかった。
唇を窄めて抜き差ししながら、竿に舌を這わせてイルカ先生の欲を煽る。
柔らかな先端を尖らせた舌でくりくりするとイルカ先生の足が震えた。
ここがすごく弱いんだよね。
イルカ先生の抵抗も相当だったけど、きつく寄せられていた眉間に切なさが混じり始める。
さっきまで怒っていた視線は宙を彷徨い、理性と快楽の間で揺れ動いた。
イルカ先生の考えてることなんて手に取るように分かる。
まず嫌がった手前、快楽に流されてなるものか。
それでも身を覆う快楽に抗い切れなくなって、なけなしの理性に必死にしがみ付いてるだろう。
だったらもう、オレに流されて。
がたがた震える腰を掴んで固定すると、喉の奥までイルカ先生を招いた。
口腔と喉で締め上げると、きゅううっと太腿の裏が痙攣する。
「あ・・・っ」
ほろりとイルカ先生の瞳から涙が零れて、ぎゅっと肩を掴まれた。
その手はもうオレを突き放そうとはせず、己の体を支えるようでも、縋るようでもある。
「あっ、あっ、あっ」
2,3度抽挿させながら見上げると、イルカ先生の瞳から険しさも迷いも消え、ただ快楽に濡れていた。
勃ったままのイルカ先生から口を離して片足を持ち上げ奥に進むと、きゅっと締まった窄まりに舌を這わせた。
「ああっ」
短い悲鳴が上がり、すぐになくなった。
肩を掴んでいた手がなくなり、苦しげな息遣いに見上げると、イルカ先生が口を押さえて必死に声を殺していた。
ぐねぐねと襞を舐めて潤すと、ぐっと中へ舌を突き入れた。
「んんーっ・・んっ・・んっ!」
つるつると柔らかな腸壁に、届く限り舌を這わせ唾液を届ける。
イルカ先生の押し殺した息に下肢が疼いた。
うねる様に舌を挟み込んでくる腸壁に舌を揺らす。
ぽたぽたと竿から伝い下りた先走りが袋を濡らし、流れ落ちた。
それに指を絡めると、後口に潜らせ中を解す。
啜り泣くようなイルカ先生の声が聞こえた。
「アア・・っ、・・おねが・・、・・アッ!カカシさん・・っ、おねがいっっ」
カッと下肢がいきり勃ち、イルカ先生の足を抱えて立ち上がると屹立したものを後口に宛がい一気に突き入れた。
「ああぁっ!」
きゅううとイルカ先生が仰け反り、動きを止める。
「あっ、ヤダ・・っ、うごいて、うごいてぇ・・」
まだイルカ先生がイってないのを確認してから腰を動かした。
熱く絡み付いてくる腸壁の中を抽挿する。
イくときは、一緒に。
駆け上がりそうになる快楽をコントロールしたいが、体が暴走して言う事を聞かない。
いつもと違うシチュエーションに興奮しているのかイルカ先生も早そうだった。
もう駆け上がることだけに集中する。
擦り合わせた腸壁がこれ以上ないぐらい熱くなってオレを包んだ。
――もうイくっ!
奥歯を噛み締めて、最後の衝撃へと駆け上がる。
「あっ、・・んっ、はぁっ・・あっ・・あっ」
イルカ先生の声が限界を教えてくれる。
きゅううううと腸壁が絡んで、あと少しで発射!と言うところで、パキッと枝を踏む音が聞こえた。
「「!!!!!!!」」
驚いたなんてもんじゃなかった。
咄嗟に動きを止めて様子を探るが、
「・・っ!」
あまりのイルカ先生の締め付けに、急所が千切れるような痛みを訴えた。
射精を塞がれ、発射寸前までの精液が尿道を逆流し、荒れ狂う。
「っっ!・・っ!」
お願い、緩めて・・!
涙を堪えてイルカ先生を掴むが、イルカ先生は更にパニックに陥っていた。
オレを咥え込んだまま、どうしよう、どうしようと恐慌に陥り、見られる羞恥に涙を浮かべている。
『しーっ、イルカ先生、オレに任せて』
押しも引きも出来ぬまま、あえて余裕を見せて微笑むと、イルカ先生の頭を首元に引き寄せ、顔を隠した。
肩を掴むイルカ先生の手ががたがた震えている。
真面目だし、きっと見られるなんて耐えられないだろう。
大丈夫と背中を撫ぜ、近づいてくる人影を探った。
相手は二人。
こっちへと向かってくる。
「ねぇ、帰ろうよぉ」
「だーいじょうぶだって」
「暗くて怖いぃ」
「平気だって」
「もぉ、何もこんなところでシなくてもいいじゃん」
「なんだよ、お前だって楽しみにしてたくせに」
「でも思ってたより暗いんだもん・・」
「それがいいんだろ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・嬲り殺してやる。
ちゃちゃっと印を結ぶと狼を出した。
幻覚で出来た狼。
朝までずっと追いかけられるがいい。
ぐるるるると闇の中から響く唸る声に女が足を止めた。
「ねぇ、何か聞こえない?」
「気のせいだろ。それより、なぁ・・」
擦り寄ってきた男を女が押しのけた。
こういうときの危険を察知する能力は女の方が高い。
「何かいるよ・・」
「いないって。・・焦らしてるのか?」
下半身に血の集まった男の思考能力はゼロ。
のそりと木の間から現した狼に二人が硬直した。
「きゃ・・」
「ぎゃあああああああ」
女の悲鳴を掻き消すような男の悲鳴に溜飲を下げる。
せいぜい追いかけっこぐらいにしてやるか、と遠方へと追い払って、――イルカ先生に向き直った。
「・・もう大丈夫だよ」
抱き寄せて背中をごしごし撫ぜる。
しばらくじっとしていたイルカ先生が小さな声で「すいません」と言った。
「俺、なにも出来なくて・・」
「なにもしなくていい」
イルカ先生を守るのはいつでもオレでありたい。
と言っても、イルカ先生をこの状況に追い込んだのはオレなんだけど。
背中を抱きしめ、イルカ先生が落ち着くのを待つ。
ようやく力の抜けたイルカ先生から己を引き抜くと、イルカ先生の膝が崩れてしゃがみこんだ。
濡れたところを拭ってパンツを履かせると、アメを拾ってイルカ先生を背負った。
どうやらイルカ先生も射精には至らなかったらしい。
「・・・すいません」
「謝らないで、イルカ先生」
「・・・・・・・・」
それっきり、黙り込んでしまったイルカ先生に不安になりつつ、帰路に着いた。