浮空の楽園 11





 部屋に着くと、カカシさんは寝室に直行した。俺をベッドに下ろし、部屋のカーテンを全て閉めて、ベストを脱いだ。カーテンを閉めても部屋は薄明るいし、久しぶりで恥ずかしい。まごついている内に、あっと言う間に上半身裸になったカカシさんに押し倒された。
 唇が重なり、忙しなく体をまさぐられる。服をたくし上げられて、裸の胸が露わになった。ちゅっと心臓の上に口吻けられて、くすぐったさに体が跳ねた。
「イルカ先生、水の匂いがする…」
「今日、プールに入って、シャワー浴びた、から…」
 するするとカカシさんの高い鼻が肌の上を滑った。
「そう」
 ひた、と温かな舌が乳首を覆った。ねろりと円を描かれて、震えが走る。擦りつけられると、乳首が勃ってカカシさんの舌を押し返した。硬い粒になったソコをちゅうちゅう吸われる。
「…ぁっ…あっ…」
 それだけで快楽が走って腰が熱くなった。乾いた乳首を指で転がされる。きゅっと捻られて甘く痺れた。
「ふぁっ…あっ…ん…」
 もじもじと動きそうになる腰を、カカシさんが体で押さえつけた。重なった服越しに、カカシさんの熱を感じた。
 ぎゅんと体の奥が疼いて、甘えた声を上げた。
(もっとカカシさんを感じたい…)
 背中に腕を回して抱き締める。
「カカ…ァッ…、カカシさぁん…っ」
 体以上に気分が高揚してふわふわした。感じるのが早すぎて怖くなった。まだ乳首を触られただけなのに、嬌声を上げて悶えている。
「…イルカ先生、すごくカンジてる?」
 恥ずかしくて、首を横に振って否定するが、体が重なっていて誤魔化せなかった。
「ウソ。ココ、もう硬くなってる」
「ひぁっ…あっ…あぁぁ…」
 腰を揺さぶられて啼き声を上げた。服越しに、俺の熱とカカシさんの熱が重なって、擦り合わされた。
「やぁっ…アアッ…」
 ゴリゴリと熱棒を押し付けられると、挿れられている瞬間を思いだして腰が濡れた。
「だぇっ…イっちゃうっ」
「もう?」
 そう聞いたカカシさんが体を起こして、俺のズボンを寛げた。遠慮無く、下着ごとズボンを下ろされて熟れた熱が外に飛び出した。
「や…だ…」
 恥ずかしくて手で隠そうとしたけど阻止された。つま先からズボンが抜けて、足を大きく開かされた。
「シャワー浴びたんならイイよね?」
「え…?」
 なにが? と問い返す暇も無く、勃ち上がった熱をカカシさんが銜えた。熱い口内の中に引き込まれて、腰が浮き上がる。
「あぁっ…あっ! だめっ…ああぁっ…」
 刺激が強すぎて、カカシさんの頭を引き離そうとしたけど駄目だった。カカシさんの頭が動き出す。数回頭を上下して、唇で性器を扱き、ねっとりと先端に舌を這わした。手で支え、根元から舌を這わせて舐め上げる。
「あぁぅ…あぁっ!」
 性器がビクビクと射精するみたいな動きをしたけど、何もでなかった。カリの部分をペロペロ舐められて、涙が溢れ出す。
 感じた事も無いほど強い快楽が込み上げて、神経が焼き切れる気がした。
「カカシさん…それ…だめっ…、ひぁぁっ…」
「どうして? 今までだって、シタことあるデショ?」
 記憶の中に蘇る。カカシさんが俺にしている姿も、俺がカカシさんにしている姿も。
(でもこんなに強い刺激だっただろうか…?)
 考えている間もカカシさんの責めは続いて、射精感が込み上げた。再び口の中に挿れてすぼすぼされると、それはいっそう強くなった。
「イっちゃ…、カカシ、さ…イっちゃうっ」
「ひーお」
 イけとばかりに頭を激しく上下されて一溜まりもなかった。びゅくびゅくとカカシさんの口の中に吐き出し、それでも足りないとばかりに吸い上げられた。
「あぁあっ…あーっ、あーっ」
 ガクガク痙攣しながら全てを吐き出すと、痺れの残る体をカカシさんが裏返した。腰を持ち上げられ、尻を突き出す恰好にされた。尻たぶを開かれ、窄まりに空気が触れた。ぐっと後口を左右に開かれたと思ったら、ぬるりとした。滑ったモノが体の中に這入ってくる。
「カ、カカシさん!」
 それがカカシさんの舌だと気付いて抵抗しようとした。だが、腰をがっちり掴まれて動けない。舌がぬるりと体の奥に進む。
「やぁっ…汚いからぁ…っ」
 涙声になったが、カカシさんは許してくれなかった。差し込んだ舌の間から、トロリとした液体が注ぎ込まれた。それがさっき俺の出した精液だと気付いたけど、舌が中に押し込むように動いて体が狂乱した。
 あまりに気持ち良くて。
 汚いと思うのに、ソコを舐められると体が蕩けた。
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ…」
 吐き出したばかりの性器が硬く勃ち上がる。気付いたカカシさんが指を絡めて扱き出した。
「ひぎっ…ぁっ…」
 何も考えられなかった。ただ快楽を受け止める器になる。だらだら涙を流しながら喘いだ。口から涎が溢れて枕を濡らした。
 舌が引き抜かれ、代わりに指が這入ってくる。舐められてふやけた様になった後口は柔らかく、最初から二本の指を飲み込んだ。
 腸壁を擦るように抽送されて、意識が弾け飛んだ。指をきつく咥えたまま、体が痙攣する。
「イっちゃったね…」
 カカシさんが性器から手を離すと、だらんと項垂れた。たらたらと糸を垂らす先端を親指で拭われてビクビク震えた。
 指が締め付けを振り払うように動き出す。
 声なんてもう出せなかった。襲い来る快楽を受け止めるのに必死で。カカシさんの動きに上手く呼吸を合わせないと失神してしまいそうだった。
 背中に覆い被さったカカシさんが後を解しながら乳首を弄った。首筋に唇が触れ、強く吸い上げられる。性器を放って置かれたのは救いだった。
 ようやく後が解れたのか、カカシさんが体を起こした。俺の体も返され、正常位の形でカカシさんの熱を挿入された。
「は…っ…ぁ…っ…っ」
 ぬぬぬと腸壁を押し広げる熱棒に息が上がる。
「はぁっ…カカシ、さん…っ」
 ずるっと性器を引き抜いたカカシさんは最初から駆け出した。リズミカルに抽送されて、擦れた腸壁が熱くなる。
 もう何も出ないと思ったのに、前がまた勃ち上がっていた。緩い傾斜で、カカシさんの動きに合わせてゆらゆら揺れる。
(お前…すごいな…)
 ぼんやり見ていたら、カカシさんが俺の膝裏を押し上げた。繋がっている所を見せてくれるのかと思ったら、体位を変えて上から腰を叩きつけられた。
 深く、強く、体の奥まで熱棒で掻き混ぜられ、濡れた俺の性器がビタビタ腹を叩いた。
「やあっ…しんじゃ…しんじゃうっ…」
 これ以上は受け止めきれないと思うのに、カカシさんは容赦なかった。揺れる俺の性器を見て、扱いた。
 痙攣した体がきゅうきゅうカカシさんを締め付けた。それでまた快楽が深くなる。
「ぅ…っ…スゴイ…」
 気持ち良さそうなカカシさんの吐息が聞こえた。
(俺がこんなに死にそうになってるのに、どうしてカカシさんは平気なんだろう?)
 余裕のある表情が不公平だと思った。抗議したいが、快楽が大きすぎて言葉にならない。
 最後にまた後背位に持ち込まれて、思う存分打ち込まれた。動きが速すぎて息が出来なかった。滑る水音と荒い息遣いが部屋に響いた。
 摩擦しているところが熱くて熱くて、ヤケドしそうだと思った所でカカシさんが動きを止めた。先端を最奥に突き刺し、腰を震わせる。
「クッ…」
 奥が濡れて、押し出されるように俺も射精した。背中にカカシさんがのし掛かり、ちゅっちゅっと肩を啄まれた。振り返ると唇を吸われた。
「カカシ…さん…」
 抱き合いたくて仰向けになると、萎えたカカシさんがちゅるんと抜けた。入り口をカリで引っ掻かれて、甘い痺れが走った。
「は…ぅん…」
「イルカ先生…」
 汗で張り付いた髪を掻き上げられる。泣いた目元も吸い上げられた。
 柔らから唇が気持ち良くて、眠気が襲ってくる。
「…もう、寝る…?」
 まだ寝たくないと首を横に振ったけど、瞼が重くなって、目を開けて居られなくなった。
「カ…」
 カカシさん、目が覚めても傍にいてくださいね。
 そう言いたかったけど、口を動かすのも億劫だった。
「おやすみ、イルカ先生」
「……」
(おやすみなさい、カカシさん)
 眠りの中に吸い込まれながら、心の中で呟いた。




text top
top