はなつ光 6





「あっ!やぁ・・っ」
 ひくひくとイルカ先生の腹筋が激しく痙攣して、ぐんと性器が膨らんだ。とろりと口の中に先走りが溢れ、その味が舌の上に広がる。
(・・咥えちゃった)
 遅れて衝撃がやってきた。初めてこんなことした。そんなつもりはなかったんけど、目の前にあったから、つい。
 不思議と嫌悪感は湧かないし、汚いとも思わない。体を唇で愛撫してたから、その延長でココも。
 そんな感覚だった。
 精液の味も平気。それどころか口の中に唾液が溜まり始める。味覚はコレを美味しいものと判断したらしかった。
 にんまり唇を歪める。
(それなら手よりももっと、気持ちイイことしてあげる)
「あ、あ、あ・・っ」
 ゆっくり口の中へと導くとイルカ先生が背が綺麗に反り返った。つんと尖った乳首を突き出して、今にも泣き出しそうな顔で懸命に快楽に堪えている。
 壮絶にヤラシイ眺めに興奮しながら頭を動かすと、すぐにイルカ先生が根を上げた。
「あ、あぁっ・・だめ・・っ」
 (いーよ、イって)
 動きを早くするとイルカ先生の手が髪に絡んだ。ぶんぶん首を振って力ない手で頭を押す。
「でるっ・・はな・・てっ、やだ・・っ、ああっ」
 咥えたまま、いいよと頷いて見せるとくしゃりと顔を歪めた。体の下の足がぶるぶる震えている。
「もっ、イきたい・・っ、やっ、あぁ・・っ」
 ぽろぽろと涙を流して耐えるのに首を傾げた。
(これじゃ、イけない?どうしたら・・)
 頭をフル回転させた。実地は初めてでも経験はある。体の作りだって同じだ。イイところなんてきっと同じだろうと当たりを付けて、舌先に力を入れて裏筋に沿わした。
「ひゃぁ!あ!あ!」
 逃げようとする体を押さえ込み、上顎と舌で挟んで強く擦りあげる。快楽の溶けた甘い声に同じ男で良かったと思った。
「アァッ、アッ!んぁっ、・・ッ!・・ゃああぁっ!!」
 何度もそれを繰り返すと腰を突き上げてイルカ先生が達した。
 弾みで喉の奥まで先端が届いて、吐き出されたものを飲んでしまった。
 吃驚したけどそれよりもイってくれた事の方が嬉しい。ぴんと張ったイルカ先生の太股も一生懸命で可愛くてそっちに気を取られてしまった。
 飲み込む喉の動きでイルカ先生を絞めてしまい、それにまた切れ切れの声を上げる。
 口淫に弱いのが見て取れて楽しくなった。
 これからはもっと上手く出来るようになろう。
 何も出なくなるのを待って、萎えて項垂れたイルカ先生をぬるんと口の中から出した。小さくなったイルカ先生の性器が可愛い。吐精の余韻にひくひくしてるから構いたくなる。
(・・だめだ。)
 何故だかイルカ先生のあちこちが可愛く見える。たまんなく可愛い。もうメロメロ。
(これは、オレのv)
 横たわった性器にちゅっと吸い付いて痕を残した。色素の具合であまり目立たなかったけど確かに付いた。指先で痕を触ると太股が揺れたからそこにも付けた。膝を持ち上げ内側にも所有の証を残す。
 よじよじと這い上がって顔を覗きこんだ。軽く気をやってしまったようでイルカ先生は目を閉じたまま喘いでいる。汗で張り付いた髪を剥がして、晒した首筋にも痕を残した。鎖骨や胸にも。しっとり汗ばんだ肌は唇にやわらかく触れて気持ちイイ。ちろっと舐めるとしょっぱくて美味しい。夢中になって舐めているとイルカ先生の手が髪に触れた。
「気が付いた?」
 ぼうっと熱に浮かれた瞳を覗き込む。上気した頬が熱そうで手で汗を拭いながら唇にそうっとキスした。ちゅっとして離れては、またくっ付ける。薄く開いた唇に少しだけ舌を入れると、イルカ先生が泣きそうな顔をした。
「ごめんなさい・・、俺、口の中に・・」
「気持ちよかった?」
 にっこにこで聞けば、イルカ先生がたどたどしく頷いた。
「そう!」
 へへーっと得意な気持ちになってイルカ先生に頬擦りした。嬉しくって仕方ない。
「あの、怒ってないんですか?」
「どーして?気持ち良かったんでしょ?またしてあげるね!」
 また、を強調するとイルカ先生が頬を赤らめた。照れて視線を逸らしたり口をもごもごさせてるのがすごく可愛い。
 惹かれるようにその唇や赤い頬に口吻けるとイルカ先生の手が首に回った。引き寄せられて唇を重ねる。
「カカシさん、好きです・・」
「・・うん」
 イルカ先生からキスしてくれるのを受け止める。イルカ先生の顔の横に手を付いて、軽く啄ばむ唇に目を閉じる。
 気持ちイイ。ふわふわと蕩けてしまいそうなほど。
 イルカ先生が唇の端をぺろっと舐めた。ぺろぺろと子犬のように口の周りを舐めてくるのに舌を出してイルカ先生の舌に触れさせた。イルカ先生がオレの舌を舐める。
 くすぐったくて、気持ちよくて、我慢できなくなって深く絡めた。イルカ先生の頭を抱えて口腔を貪る。
「んっ、ふ・・っ、はっ・・、・・あの、カカシさん・・」
「ん・・?」
 僅かに唇を離すとイルカ先生が真っ赤になっている。
「俺も、手でしましょうか・・?」
「えっ!?」
 はっとすると、また無意識の内にイルカ先生に腰を擦り付けていた。
(うわっ)
 発情した犬みたいですごく恥ずかしい。かぁっと顔が熱くなる。
(・・でもキモチよかった。)
 振り返って認める。頭よりも体の方がそれを覚えているようだった。
「ご、ごめんなさい。それはいいです・・」
「く、口の方がいいですか・・?」
「ええっ!!?」
 なにを言い出すんだ、この人は!
 そんなのっ、・・嬉しいけど!・・でもでもイルカ先生にそんなことさせられないよ!
 パニックになってあわあわしていると、イルカ先生が体を起こした。
「カカシさんも脱いでください」
「う、うん」
 くいっと穿いたままだったズボンを引っ張られて慌ててベルトに手を掛ける。
(どうしよう、どうしよう、どうなるんだろう。)
 イルカ先生が見てる前だったけど、恥ずかしがると余計恥ずかしいことになるから勢い良く脱いだ。だけどそこは触れてもいないのにぐっしょり濡れていてすでに恥ずかしいことになっている。
 やっぱり隠したい。
「あ!」
 オレの思惑に気付かずイルカ先生の手がそこに伸ばした。さっと腰を引くと不思議そうな顔をした。
「カカシさん?」
「いや、あの・・」
「・・逃げたら、出来ないです」
(うっ!)
 今の言葉は下肢を直撃した。いきり勃ったソコが存在を主張する。
 ――気持ち良くなりたいと。それも最高に気持ちよくなりたいと。
 焦燥が湧き上がり、血がドクドク巡る。あまりにそれが早くてクラクラする。頭の中が霞掛かり、もはや正しい判断なんて出来なくなる。
 オレが下がった分、イルカ先生がにじり寄った。
「・・カカシさん」
 恥ずかしそうに名を呼んで、戸惑いがちに手が伸ばされる。
 視覚的にすごく、イイ。
 だけど、それじゃあイヤだと下肢が訴える。
 包まれたい。イルカ先生の熱に。もっと深く――。
「イルカセンセッ!」
 ソコに手が届く瞬間、がばっと抱きついた。勢いあまってイルカ先生を押し倒してしまう。
「カカシさんっ?」
「うー・・」
 我慢できなくなってイルカ先生にソコを擦りつけた。
 イきたい、イれたい。
 それだけで頭の中がいっぱいになる。
「あ、あの・・っ」
「挿れたい。イルカ先生の中に、オレの、挿れたらダメですか?」


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