輪っか 14
冷凍庫を開けると、長い足を折り曲げてぎゅうぎゅうに押し込まれたカニを取り出した。
前に鍋をしようと買ってきて、そのままお蔵入りになってたカニだ。
ふと痛んでないか気になったが、匂いを嗅ぐ限り問題無さそうだった。
心なしかカニが大きくなってる気がしたが、気のせいだろうと鍋の準備を始めた。
土鍋に水を張って昆布を入れて、白菜を適当な大きさに切っていく。
それを皿に移すと、俺は食べないがカカシさんが好きなのでしいたけを取り出し、傘に包丁で*を書いた。
それから長ネギを斜めに切って、シメジを裂く。
ふと思い立ってにんじんを案山子の形に切っていると、カンカンと階段を踏む足音がした。
急いで手を洗うと玄関に向かう。
「おかえりなさい」
玄関が開いた瞬間に声を掛けると、小さく息を乱したカカシさんが口布を下げた。
「ただいま。遅くなってゴメンね」
「そんなことないです。俺も今帰ったところですから」
サンダルを脱ぐのが待てなくて、まだ玄関に立つカカシさんの首に腕を回す。
俺の方が背が高くなって、覆い被さるように抱きつくとカカシさんの腕が背中に回った。
ゴロゴロと懐くように首筋に顔を押し付ける。
冷たくなったカカシさんの耳が頬に当たって、暖めようとはあ〜と息を吹きかけると、カカシさんがビクッと首を竦めた。
「・・イルカセンセ」
困った顔で見つめられて、カカシさんの耳を両手で覆う。
「カカシさん、耳が冷たい」
背中に回った腕にぐっと力が入り、玄関から上がったカカシさんが俺に体を押し付けた。
「・・どうしよう。こんなになっちゃった」
下腹に当たる硬いものにドクッと心臓が高鳴る。
顔を上げるとカカシさんに熱く潤んだ視線で見つめられて、ドキドキが激しくなった。
これからご飯にしようと思っていて、そんなつもりじゃなかったんだけど、求められると体の奥に火が灯る。
「カカシさん・・」
「お願い、少しだけ」
断られると思ったのか、カカシさんはその場に跪くと服の上から股間に顔を押し付けた。
「や、やだ・・・っ」
まだ風呂に入っていなくて、そんなことをされるのは酷く恥ずかしい。
逃げようとすると両腕を掴まれ、縫い付けるように壁に押し付けられた。
「やっ、カカシさん、やだっ」
訴えても、俺を見上げるカカシさんの視線は獣のように鋭くて全然聞いてくれなかった。
歯がファスナーを咥え、ジジジッと下ろしていく。
隙間から下着越しに熱い息を吹きかけられると腰が跳ねた。
カカシさんがむさぼる様に顔を押し付け下着を割る。
「ひやっ・・、ゃ・・ぁ・・」
ぺたりと性器に柔らかいものに張り付いて膝が震えた。
同じところを何度も滑った舌で舐められて快楽が生まれる。
「あ・っ、はあっ・・っんんっ・・」
形を取り始めた性器に首を振った。
そこは窮屈でもどかしくて物足りない。
いやいやするとカカシさんが唇で俺のモノを加えて外に引っ張り出した。
ふるんと弾け出た性器をカカシさんが咥える。
温かく湿った口の中に招かれて腰が砕けた。
壁からずり落ちる様に尻餅を付くとカカシさんがその動きについてくる。
舌と唇で扱かれて、瞬く間に性器が張り詰めた。
「ああっ、あっ・・んぁっ、はあっ・・」
熱で潤んだ視界の先に、両手で俺の性器を支えながら頭を上下させるカカシさんが映る。
いつの間にか拘束から外れていた手を伸ばしてカカシさんに触れた。
「カカシ・・さんも・・い・・しょに・・・」
だってあんなに硬くなっていた。
俺よりずっとイキたい筈なのに、自分のことをほったらかしにするカカシさんに庇護欲が沸いた。
俺がなんとかしてやらないと。
力の抜けた手をカカシさんの股間へと伸ばす。
はっと顔を上げたカカシさんが俺の性器から口を離すと、急いでファスナーを下ろした。
熱を孕んで飛び出したそれに俺が触れるより早くカカシさんが腰を重ねる。
「アアッ」
熱く滾った所にカカシさんの性器を押し付けられて体が仰け反った。
俺のよりずっとカカシさんの方が熱い。
「イルカ先生、触って」
手を引かれて互いの熱を握ると、カカシさんが激しく腰を動かした。
手の中で硬く尖ったカカシさんに擦られて体が沸騰する。
「あっ、あっ、イっちゃう、あ・・イク・・っ」
「いいよ、イって」
指の上からカカシさんの指が絡んで強く握り締めた。
合わせる様に互いの先端を擦りつけられる。
「ああ、んんんっっ」
弾ける瞬間口を塞がれて、嬌声はカカシさんの口の中に消えた。
くっと短く息を吐いたカカシさんの熱が弾けるのを手と性器に感じて、ぶるっと体が震える。
体の中を何度も快楽の細波が走り抜けた。
「はぁ・・、気持ちよかった」
耳元で聞こえたカカシさんの満足そうな声に、重い腕を持ち上げると背中を抱いた。
「イルカセンセ・・」
体を離そうとしたカカシさんを引き止める。
もうちょっとこうしていたくて、背中を強く抱くと肩に頬をつけた。