苺ミルク 4




 カカシ先生の口の中に俺のが入ってる。
 それは視覚的にかなりキて、むやみやたらに腰を動かしたい衝動に駆られた。もっと深く、根元まで含ませたい。だけど初めてのカカシ先生にそれをするのは、無体な気がして動けないでいた。これ以上挿れたら咽せたりしそうだ。
(でも、あともうちょっとだけ挿れてもいいかな…?)
 迷いに腰がじりじり動く。すると、カカシ先生の舌の上を俺の先端がちまちま滑って、さざ波のような快楽が沸き上がった。
(なんか気持ちイイ…)
 腰の振りを意図的なものに変えて、カカシ先生の舌に先端を擦りつけると快楽を拾う。
「……カカシ先生、ちょっと口を窄めてみてくれませんか?」
「ほぉぅ?」
 細やかな振動が芯を伝い、窄められた唇が輪を作って俺を締め付けた。加減が分からないらしく緩いものだが、さっきよりも快楽が強くなる。もう少しだけ差し込んで、俺のイイところに唇が当たるようにすると腰を前後に揺らした。
「ぁ…、ぅ…」
 沸き上がる快楽につま先が曲がる。カカシ先生の口の中で俺の中心はぐっと張り詰めて嵩を増した。このままイくまで擦りたい。だけど、ふんっ!ふんっ!と鼻で息をするカカシ先生が苦しそうで、未練がましく2、3度腰を振ると、カカシ先生の口から引き抜いた。唇から離れる際、ちゅぷんと音を立てて、糸が先端と唇を繋いだ。
「…あっ…どうして…?まだイルカ先生イってない」
 カカシ先生の赤く濡れた唇に視線が釘付けになる。
「…もう満足したからいいんです」
 本当ではないがそう答えると、途端にカカシ先生の眉が歪んだ。
「ウソだ…。イルカ先生、オレがヘタだからイヤになったんだ…」
 納得してない不満顔の裏に哀しみが見え隠れする。
「そんな事無いですよ!ちゃんと気持ち良かったです」
「ウソだ!だって、オレ出したくなかったもん。イルカ先生の口の中、気持ちヨくて、ずっとこうして欲しいって思ったもん!」
 カカシ先生の赤裸々な告白に、かあっと頬が火照った。嬉しい。そんな風に思って貰えたなんて。
「そんなに気持ち良かったんですか?」
「ウン」
「どんな風に?」
「イルカ先生の口の中温かくて、アソコがじゅわって溶けそうになった。じゅぽじゅぽされると気持ちヨくてジンジンして…。イきそうになるけど、もっとシて欲しくて、だからイくのガマンして……ぁっ」
 思い出すように斜め上を見ていた顔が、次第に羞恥に染まっていく。ようやく今言ったことが恥ずかしい事だと気付いたカカシ先生が、見られるのを嫌がるように顔を背けるが、俺が頭の上で両手を押さえているから大して隠せなかった。
 体を倒して真っ赤に染まった頬や耳朶に唇を寄せる。逃げるようにぎゅっと閉じた目蓋が酷く稚く嗜虐心を誘った。この人は上忍なのに、なんて弱い顔を見せるんだろう。
「…ヤラしい」
 耳元で囁くと、雷に打たれたようにビクッとカカシ先生の体が震えた。きつく閉じ合わせた瞼の間から水が滲み出て来て睫毛を濡らす。俺はそれに舌を這わした。
 しょっぱい。
 泣くほどのことじゃないのだが、セックス2回目のカカシ先生にしては酷く責められたように聞こえただろうか?
 泣き顔を見せられると、愛しいのと虐めたいのでカカシ先生をむちゃくちゃにしたくなる。もっともっとカカシ先生をぐちゃぐちゃのねちょねちょにして、俺と混ざり合って、快楽に堕としたい。
「カカシ先生、それなら俺にも同じようにしてくださいよ。俺がしたように、カカシ先生も口を動かして、俺のこと気持ち良くして下さい」
 羞恥に赤く染まった頬にかぶり付きたかった。だけどそれをすると恐る恐る瞳を開いたカカシ先生を怖がらせてしまいそうで我慢した。
「同じように……?」
「覚えてるでしょう?」
 涙に濡れていたカカシ先生の瞳がぽうっと熱に潤んだ。
「ウン、おんなじコトする……」
「そう。イイコですね…」
 空いた手で頬を撫でるとカカシ先生の頬が嬉しそうに緩んだ。幸せって顔で「あ」と口を開く。 そこに再び猛ったモノを突っ込むと、カカシ先生は口を窄めてちゅうっと吸い付いた。そうしながらネロネロと舌を竿に擦りつけて、俺がしたことを再現した。もっと、とでも言うように頭を上げて俺を含もうとするのに、
「カカシ先生、動いて良いですか?」
 口を動かしながらこくんと頷くのに腰を抽送させた。中心を温かく柔らかい舌の上で滑らせながら、ずちゅ、ぬちゅと繋がった所から響く濡れた音に耳を澄ました。俺を含んで歪んだカカシ先生の顔に欲情する。
 角度を変えて、カカシ先生の頬に先端を擦りつけると、大きな飴玉を舐めたみたいに頬が膨らんだ。思いの外、内頬が柔らかくて、その感触に夢中になる。腰を引いて先だけ残すとカカシ先生が先端に舌を這わした。張り出たカサをぺろぺろ舐めて、俺がしたみたいに鈴口に舌を入れてくる。
「あぁっ…!」
 強く感じて思わず腰を引きそうになると、カカシ先生が頭を上げた。離すまいとするようにきつく吸い上げる。
「あっ!ダメ…っ!」
 制止を掛けると吃驚したカカシ先生が口の力を緩めた。途端に逃げていく快楽に思わずガッカリすると、それが表情に表れたのかカカシ先生がもう一度吸い付いた。俺の顔色を見ながら、加減を計るように徐々にきつく吸い上げる。
 その不器用な遣り様に興奮した。カンジさせようと必死な様が俺の興奮を誘う。カカシ先生の全意識が俺に向けられているのが嬉しくて、体よりも心が快楽を急いた。
「カカシ先生、もうちょっと激しくしても…」
 言いかける間にカカシ先生がコクコク頷いたのを見て抽送を早くした。促すように顎を上げられて、突き挿れを深くした。
「ぁっ!…あっ…はぁっ…あっ…」
 柔らかな舌の上を長く滑るのが気持ち良かった。口の中で舌を動かされて、思わぬ快楽が沸き上がる。
 俺が快楽に夢中になり始めると、カカシ先生が舌と上顎を使って俺を締め付けた。息苦しいのだろう。真っ赤になりながらも締め付けた口を離そうとしない。そんなカカシ先生の口の中にズボズボと猛った中心を突き挿れた。気持ち良くて加減するのが難しくなってくる。きっと先走りが零れてる。
(カカシ先生は不味くないだろうか…?)
 舐めるのが初めてなら、あの味も初めてだろう……。口の中では出せない。
「ぅあっ…あっ!ア…!」
 そろそろ限界が近かった。だけどもう少し味わっていたい。さっきカカシ先生が言っていた気持ちが良く分かった。
(まだだ…もっと…、あっ、でもっ!ア――)
 我慢出来ない。
 カカシ先生が苦しげなのが視界に入ったが腰の動きを止められ無かった。抽送を早めて射精へと駆け上がる。体中の快楽が集まって先端から噴き出ようとするのに急いで腰を引いた。その瞬間カカシ先生が押さえつけていた手を上に引っぱて、俺は大きくバランスを崩した。
「えっ?!」
 まだ先端がカカシ先生の口の中にはいっているのに快楽が尿道を走り抜ける。
「あっ!アァッ!」
 びゅくっと最初の精液がカカシ先生の口の中で出た。それだけでも失敗なのに勢いは収まらず、ぶるんと唇から弾け出ると二発目を発射した。それがカカシ先生の唇の端から頬に掛けて白濁の線を描く。
(あっ!ダメ!)
 と思うのに、三発目の射精を堪えられなかった。それどころか、二発目よりも深い快楽が襲う。
「アッ!」
 三発目はモロにカカシ先生の顔に掛かった。鼻先で弾けた白濁が顔中に飛び散る。真っ赤な顔に掛かった白濁は苺ミルクを連想させた。トロリと頬を流れる白濁を見ながら、びゅくびゅくと残りの精液を小さく弾けさせる。
 快楽の余韻はいつもより長かった。だけどそれに浸る事を理性が許さない。
(早く顔を拭かないと…!)
「あ、あ、ご、ごめんなさいっ!掛けるつもりは無かったんです!あっ、その、手…離して…!」
 俺が掴んでいたはずなのに、いつの間にかカカシ先生が俺の手を掴んでいた。頬を上気させて、ぽーっとしたカカシ先生は俺の声が聞こえているのかどうか、ペロリと赤い舌を出すと口の端に付いた白濁を舐め取った。その顔がえらく妖艶で、俺の中心がズクリと震えそうになる。
「カカシ先生!ちょっと!手!」
「……おいし」
(んなわけあるか!)
 まるでワインを味わうように舌を動かしてからゴックンしたカカシ先生に脱力した。
(…も、いいや)
 飲みたかったのなら、おあいこだ。カカシ先生が手を引いたのはそう言う事だったんだろうと納得して、手を繋いだまま、ぽぅっとしているカカシ先生の隣に体を横たえた。


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