苺ミルク 5




「イルカてんてー」
 甘える様にカカシ先生が擦り寄った。きつく結ばれていた手が離れて背中に回る。自由になった手を伸ばしてティッシュを数枚引き抜いた。
「ほら、カカシ先生、顔こっちむけて」
 ごろごろと腹に懐いていたカカシ先生が顔を上げる。白く濡れた顔にティッシュを当てると、ン!と顔を押しつけた。子供の様な仕草に口許が緩むが、
「イルカせんせ、ちゃんと気持ちヨかった?」
 あからさまなことを聞かれて唇をへの字に曲げた。そんなこと聞かなくても分かるだろうに。
「…ええ、まあ」
 それでも俺も言わせたから、言わないのは不公平だろうと口を濁しながら言うと、カカシ先生が拭きかけの顔をぎゅーっと腹に押しつけた。
「あ、こら…」
「…うれしいです。オレ、もっと上手くなるようにガンバるから、またさせてね。オレ、イルカ先生のココ大好きです。カワイイ…」
 大事なところを「可愛い」と言われて、(何っ!?)と自尊心が傷付きかけたが、カカシ先生がそんなつもりで言ったんじゃないのは分かってる。それに、大きさはともかく、成人男性として損傷無く、立派なモノを持っていると自負している。むしろ可愛いのはカカシ先生の方だ。
(あんな、ピンク色して…)
 と、カカシ先生の股間を見ると、俺のを舐めてる間に興奮したのか勃起していた。先っぽからトロトロ汁まで零し、辛くないのかと訝しんだ。
「カカシ先生、もう一度抜いておきますか?」
 体を起こして手を伸ばすと、カカシ先生がさっとソコを両手で隠した。まるで子供がおしっこを我慢してるみたいだ。色気のない仕草に、気持ち良くなりたくないのかと眉を寄せると、体を起こしたカカシ先生がもじもじと腰を揺らした。
「…イルカ先生、…次はイルカ先生の中でイきたいです」
(そういうことか…)
「いいですよ。じゃあ、準備しますから少し待ってください」
「あっ、あの!ソレ…オレがしちゃあダメ…?」
「ええ、結構です」
 カカシ先生の上目遣いの懇願を素気なく断る。だって嫌なのだ。後ろに手を入れられたりするのが。それにカカシ先生に任せるより、自分でした方が早い。だけどカカシ先生はかぁっと頬を染めながら言った。
「イルカ先生あのね、オ、オレ、買って来ました。イルカ先生が言ってたの。ジェルってやつ…。だから…オレがイルカ先生の準備したいです」
「ふぇ?本当に?」
 意外だった。カカシ先生がそんなアダルト的なものを買ってくるとは。どんな顔して買ってきたのだろう?
 見つめ返すと、カカシ先生はぱっとベッドから飛び降りた。
 白いお尻を見せながら、たたっと居間に走るとポーチの中からジェルのチューブを取り出した。それから勃たせた前を隠しもせずプラプラ揺らしながら戻って来るとベッドに飛び乗った。
「ホラ!」
 自慢げに差し出されたジェルを受け取ってラベルを見た。
『速乾!!スーパーハードジェル』
「違うわっ!」
 思わずキレて投げ返すと、ジェルはカカシ先生の額にべちっと当たってベッドの下に落ちた。カカシ先生が驚いて目を見開いた。
「あ」
 マズイと思った。今のはちょっとやり過ぎた。真新しいジェルは中身が詰まっていたから痛かっただろう。見開いたカカシ先生の瞳にみるみる涙が盛り上がる。止める間も無くそれは流れ落ちた。
「ふ、ふ、ふっ、ふぇっ…ふぇ〜ん…」
「ごごごごめんなさい!やり過ぎました。俺が悪かったです!」
 頭を抱えて撫でると、カカシ先生はますます泣き出した。裸の膝にぽたぽた涙が落ちる。
「ごめんなさい、カカシ先生。泣かないで」
 弱り果てて、赤くなりだした額にふぅふぅと息を吹きかけた。濡れた頬を手で拭くと、俺が放って拭いきれなかったモノと混ざり合ってヌルヌルした。
「カカシ先生、もう泣かないで…」
「…っく…ぅっ…、イ、イルカ先生は…オ、レがっ…ヘタクソだから…イヤなの…?」
 途切れ途切れに聞こえてきた声に吃驚した。そんなこと考えた事もない。そりゃ、上手いとは言えないけれど、それなり気持ち良かったし。カカシ先生には最初の時に何度もイかされたけど、あれが俺の望むセックスかと言えばほど遠かった。
「でも、ちゃん…とっ、上手く、なるから…待ってて…ほしっ…」
 うぅ〜っと呻いて大粒の涙を落としたカカシ先生の頭を必死に撫でた。
「カカシ先生違うんです。ヘタクソだなんて思ってません」
「ホント…?」
 恐る恐る見上げる瞳に「ええ」と微笑む。上手いと思って無い事は黙っておいた。嘘も方便だ。
「カカシ先生、カカシ先生が買って来たのは整髪料です。頭に付けるヤツ」
「…ちがうの?」
「ええ、違います。それに『速乾』って書いてあるでしょう?俺が言ってたのは、乾かないようにするヤツです。乾くと痛いんです。でも大丈夫。ちゃんと俺が用意してます。…ほら、ここ。いつもこの引き出しに入ってますからね。…これです」
 キャップを外すとカカシ先生の手の上にちゅるっと絞り出した。
「ホラ、ヌルヌルしているでしょう?」
 覚えの悪い生徒を教えるように優しく言うと、カカシ先生は泣きながら指を擦り合わせた。
「…ウン。…イルカ先生、最初の時コレ使わなかったけど、痛くなかった?」
(……優しい人)
 傷付いた自分の心より、俺を優先してくれる。
「ええ、あの時はカカシ先生が軟膏を持って来てくれたでしょう。だから痛く無かったです」
 手柄を誉めるように言うと、カカシ先生の頬がほんのちょっと上がった。
「ホント?」
「ホントですよ。……カカシ先生、ぶつけたりしてごめんなさい。もう痛く無いですか?」
 落ちた前髪を掻き上げて額を晒すと、ちゅっと吸い上げた。自分の放ったモノでカカシ先生の顔が生臭かったが我慢した。
「ウン!もう痛く無いです!」
 はにかみながらも笑顔を浮かべたカカシ先生に、(ちょろい!)と思ってしまった事も内緒だ。 ああ、でも。カカシ先生がヘタクソを気にしていたなんて。まだ一回しかシたことないんだから仕方ないのに。これはちょっと、上手くなるように教えなければいけない。
「…カカシ先生、上手くなろうと思って、誰かにココ使ったりしたらちょん切りますからね」
 ふと湧いた疑念に、股間を指差しながら念を押しすると、青ざめたカカシ先生が股間を隠した。
「そんなことしません!オレはイルカ先生だけです!」
 そうだった。今のは余計な心配だった。その健気さに心が緩む。
「仕方ないですね。…シてもいいですよ。覚えて貰った方が良いし」
「えっ?!」
「…後ろ、カカシ先生が解して下さい」
「い、いいの!?」
 お詫びのつもりもあった。カカシ先生の気持ちを無碍にして傷付けてしまったから。それに、カカシ先生なら信頼してもいい気がする。
「ジェルを指にたくさんのせて下さいね」
「う、ウン」
「それから、…冷たいのは嫌です。温めて…」
 その瞬間、バチッと青白い光が走った。ジェルを乗せたカカシ先生の指から。
「うぉっ?!」
「温まりました!」
(な、なんだ!?電子レンジか!?)
「カカシ先生!今の絶対に俺の中でしないでくださいね?」
「ウン!」
「絶対ですよ?」
「ウン!」
(…本当に大丈夫だろうな?)
 イイコのお返事をしたカカシ先生を訝しがりながらも足を開いて尻の穴を見せた。刹那、カカシ先生の股間がぎゅんといきり立ち、はぁはぁと荒い息を零す。泣いて充血した目が血走って見えた。
(またこの人暴走したりしないだろうな?)
「カカシ先生、俺が止めてって言ったら止めてくださいね」
「ウン」
「そうっとしてくださいね?そうっと…」
「ウン」
 近づいてくる手がブルブル震えているのが嫌だった。
(ホント大丈夫だろうな?)
 シていいと言った手前断われない。ここで断るとカカシ先生が再起不能になりそうだった。顔を近づけてくるカカシ先生の鼻息が腹に当たる。ぴちゃっと奥まった所に指を当てるとカカシ先生が動きを止めた。それから、「うっ」と言って股間を押さえる。
「イタい…」
 がくっと体を支えていた肘が折れた。射精を我慢しすぎて限界が来たらしい。
(…アホだ)
 だから抜いておこうと言ったのに。こんな事ぐらいでそこまで興奮するか?と思わないでもないけれど、カカシ先生の経験からすると理解出来た。俺も初めはこうだった。遙か遠い昔のことだけれど。
「カカシ先生、やはり今日のところは俺がします。その方が早く挿れられていいでしょう?」
「イヤです!オレがします!オレがするんです!」
 意地を張ったカカシ先生の鼻からつーっと鼻水が垂れた。前は男前だと思った顔が、そうは見えなくなってきた。
「…そうですか?ま、俺はいいですけど…」
 では、どうぞと足を広げると、またカカシ先生が「うっ!」と息を詰めた。必死の形相で指を伸ばす。
(そこまで必死にならなくても…)
 再び窄まりに着いた指がぷるぷる震えて入り口をノックした。早く撫でるなり、挿れるなりしてくれればいいのに進展がない。
「あーもうっじれったいなぁ!」
 声を上げるとカカシ先生がびくっと震えて指が離れた。その手を捕まえて、ぐいっと窄まりに押しつけると、ぐりぐりジェルを塗りつけた。カカシ先生がもたもたしてるから、ほとんどが指から流れ落ちてしまってるじゃないか。
「イ、イルカセンセ…!そんなにしたら…」
「カカシ先生、ジェル足して下さい!」
「ハ、ハイ!」
 掴んだ指を向けると、カカシ先生が蓋の開きっぱなしだったジェルを取って指先に落とした。そこにチャクラが集中するのを感じて、
「カカシ先生、さっきのはしないでください!」
 鋭く叫ぶとカカシ先生がまたビクッと跳ねた。
「え…、あ、う…」
「俺が感電するじゃないですか」
「あっ!ゴ、ゴメンなさ――」
「人肌でいいんです。手で温めて」
「あ、う、」
 緊張しすぎておかしくなったカカシ先生にくすっと笑ってしまった。何故か優しい気持ちが沸き上がる。
「カカシ先生、そんなに緊張しないで。もっとこっち来て下さい。俺も触れるぐらいに…」
「あ、ウン…」
 尻でにじり寄ったカカシ先生の足に広げた足を掛けて俺も近づいた。額の触れ合う距離で互いの中心を見下ろす。
「カカシ先生の、おっきいですね」
「ウン…、イルカ先生の、色が濃ゆいね」
「ええ」
 それは使い込んでいるからだが、言うとカカシ先生が傷付きそうな気がしたから黙っておいた。ピンク色の昂ぶりを手の中に包む。カチコチに張り詰めたソコが愛しかった。
「アッ!イルカセンセ…」
「大丈夫、持ってるだけです」
「ウ、ウン」
「さ、カカシ先生、続きして…」
 垂らしたジェルを零さないように窄まりに近づけると円を描くように塗りつけた。おかしな気分だ。自慰をしているみたいな、でも触れているのはカカシ先生の指だ。しばらく繰り返していたら、カカシ先生が自分の意志で動き出した。入り口の淵を広げるように撫でる。
「カ、カシ先生…、挿れてみて、いいですよ。そうっとね…。一本ずつ…」
「ウ、ウ、ウン」
 一差し指の先が窄まりを押して、つぷんと中に這入った。
「あ!這入った!」
「いいですよ、そのまま…」
 カカシ先生の指が這入ってくる。第一関節を抜けて第二関節まで這入ると根元に辿り着いた。
「あ、スゴイっ、イルカ先生の中あったかい…」
 好奇心と感動いっぱいの顔でカカシ先生が言った。でもただ挿れるだけだったので、抽送を模して指を出し入れさせると、持っていたカカシ先生の中心がますます張り詰めた。
「ジェルを垂らしながら中も濡らして、指が3本這入るまで緩めてください。そしたら、カカシ先生の挿れていいです」
 後は任せると掴んでいた手を離すと、カカシ先生が力強く頷いた。
「オレ、頑張ります」


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