苺ミルク 3
「カカシセンセ…」
甘えたくなってカカシ先生の背中に手を回して抱きつくと、うふふと嬉しそうな笑い声が聞こえてきた。体が密着すると太股のカカシ先生の昂ぶりを感じて、俺はもぞっと腰を揺らした。
(カカシ先生は平気なのかな…?)
初恋の甘酸っぱさは胸の内にあるものの、でも俺は成人男子だからカカシ先生の肌の熱さや腰の昂ぶりが気になった。おまけにカカシ先生が動く度にピンク色の乳首が視界の中をうろちょろする。あそこを触ってさくらんぼ色に変えたい。本音を言うと舐めたいが、舐めるとカカシ先生がバカにするからしない。
(……いつになったら先に進むんだろ?)
まだかな?とカカシ先生を見上げると、目があって最高に幸せそうな顔で微笑まれた。えへへと笑い返して、カカシ先生の胸に頬を付ける。俺的にはもう充分ぎゅうしたと思うんだが、カカシ先生は満足していないらしかった。カカシ先生の甘い抱擁は終わる事を知らず、延々と続く。
「……………」
待ちきれなくなって、ちょんとカカシ先生の乳首に触れた。指先で軽く引っ掻いてピンク色の乳首を弾いて、カカシ先生の反応を待つ。
「イルカせんせぇー」
甘えた声で俺に抱き付くカカシ先生に、これじゃダメだと親指と一差し指でぎゅむぎゅむ挟んだ。俺だったら絶対あはんうふんだが、カカシ先生は無反応だ。
(なんでだ?この…っ!)
堪らず目の前の乳首にちゅっと吸い付くと、カカシ先生の体がビクッと跳ねた。
(やったか?!)
「どうしたの?イルカ先生、くすぐったーいよ?」
(カカシ先生のニブちん!)
この状態でエッチするよりより抱擁の方が良いってどうよ?それって俺に性的魅力がないって事かよ?
目をぱちくりさせて本気で驚いているカカシ先生にイラっとして、手っ取り早くその気にさせようと俺は下に体をずらした。腕の中から抜け出た俺に、カカシ先生が「あん」と不満そうな声を上げたが無視だ、無視。
銀色の下生えを目指して顔を下げると、緩く勃ち上がっていたピンクのソーセージをぱくっと口に咥えた。
「あっ!?イ、イルカセンセっ!?」
慌てたカカシ先生が腰を引こうとしたけど、がっちり掴んで離さなかった。一息に奥まで咥えて、ちうっと吸い上げると、カカシ先生の中心が一気に硬くなった。それでも駄目押しで、口の中で舐め回すと、甘い吐息がカカシ先生の唇から漏れる。
「あ…ダメ…イルカ先生…だめぇ…」
(こんな大きくしておいて、ダメなもんか。)
中心に舌を添えて唇を窄めると根元から先端まで吸い上げた。「ひっ」と短く声を上げたカカシ先生の腹筋が面白いほど震える。舌の上に苦みを感じて、ぺろりと先っちょを舐めると、カカシ先生が蕩ける瞳で俺を見ていた。
「いるかせんせぇ…」
(…やっとソノ気になったか)
舌を伸ばしてペロペロと先を舐めてカカシ先生を煽った。そうして視線を俺に釘付けにしておいてから、アイスキャンディを舐めるみたいにぺーっと舌を這わして根元まで舐め回した。
「あふ…ぅ…っ」
押し殺した喘ぎを耳に、浮き出た血管を舌で辿って再び先端に戻り、鈴口の周りで舌をくねらせると小刻みの振動を与えた。
「あっ!…だめっ…でそう…っ」
顔を赤くしたカカシ先生が快楽に耐えるように眉を寄せた。ぎゅっとシーツを掴んだ手がブルブル震えていた。裸の足が堪えきれないようにシーツを掻く。その様を見て、俺はカカシ先生を咥えると頭を上下させた。口を窄めて柔らかな内頬と舌でカカシ先生を包む。女の中にいるように、――カカシ先生は童貞だけど、近い感覚が味わえるように口を使った。じゅぶじゅぶと唇の間から淫らな音が漏れ、カカシ先生の性器が張り詰める。
「あっ、あっ!…だめ…!」
カカシ先生はダメしか言わないけれど、相当感じているのは見て取れた。ぎゅっと閉じた目元は真っ赤に染まって、はふはふと呼吸を繰り返す唇からはヨダレが零れていた。頬は緩みきって蕩けているし、何より声が凄くて。普段からカカシ先生は良い声だが、その声が甘く掠れて俺の官能を刺激した。
咥えているだけなのに、体の芯が火照って張り詰める。カカシ先生の快楽と同調して、イかずにはいられない気分になった。
(…早くコレを感じたい)
体の中にカカシ先生を招いた時の感覚を思い出して喘いだ。早く、早くと急いた想いは口淫の動きとなって現れた。唇が熱くなるほどカカシ先生を扱いて射精を促促す。
「ヒッ!イルカセンセッ!あ…っ、あーっ」
掠れた声を上げて腰を突き出したカカシ先生が俺の口の中に吐き出した。苦みのある精液をゴクリと飲み込む。喉を下りていく粘液にますます俺は欲情して、ズボンを下ろすと自分の中心を掴んだ。
「あっ、く…」
感じすぎて痛いほどになっているなったソコを夢中で扱く。自慰に耽る俺を快楽の余韻から醒めたカカシ先生が見ていたが、止める事は出来なかった。
(とくかく一度イってしまいたい…)
「んっ…はっ…」
くちゅくちゅと濡れた音が立って手の内が濡れて、射精間近になっているとカカシ先生が俺の手を掴んだ。
「……どうしたんですか?一緒に触ってくれるんですか?」
俺の動きを止めようとするカカシ先生に眉を寄せると、カカシ先生が泣きそうな顔で首を横に振った。
「イルカ先生、一人でシちゃあヤダ。オ、オレもする…!イルカ先生の口で…」
「え、結構です」
(…後もうちょっとでイけそうだったのに。)
邪魔なカカシ先生の手を払おうとするが、蔦のように絡まって離れない。その間にも登りつめようとしていた快楽が引いていってイラッとした。
「ちょっと!邪魔しないでくださいよ。自分はイっといて…!」
「だから、オレもするー!」
「いらないって言ってるでしょう?邪魔するな!」
「ヤダ!オレもする!オレもするー!」
駄々を捏ねて子供のようにジタバタするカカシ先生に、愛想を尽かしそうになりながら妥協した。
「わかりました、わかりました!そんなに言うならさせてあげます!」
「ホント?」
「ええ」
これ以上騒がれたら堪らない。四つん這いなってカカシ先生の体の両脇に手足を着いて這うと、上へ移動した。頬を染めて俺と俺の中心を交互に見つめるカカシ先生に言いつけた。
「口開けてください」
途端にぱかっと大口を開けたカカシ先生に閉口した。上下に綺麗な歯並びが見える。
「――萎えた。もういいです」
「えっ!どうして…?!」
「だって食い千切られそうなんですもん。…カカシ先生、フェラなんてシたことないんでしょう?出来ないならいいです」
シたことがないのを分かっていて聞いた。別にシて欲しいなんて思ってないから。無理して口でされるより、中に挿れて貰った方が遙かにキモちいイイに決まってた。なのにカカシ先生が意地を張った。
「出来るもん!…その、イルカ先生が教えてくれたら…、出来ます」
「だから、いいですって」
「やだっ!出来るもん…!」
「もういいですって…、おわっ!」
体を離そうとすると、突然カカシ先生が起き上がった。胸の上にいた俺はあっけなく後ろに転がって、開脚したまま無防備に股間を晒した。カカシ先生が顔を埋めようと俺の股間に顔を寄せる。泡を食って起き上がると、俺はカカシ先生の両手を頭の上に押さえつけた。
「これ以上勝手すると嫌いになりますよ!」
怒鳴りつけると効果てきめんで、ひくりと震えたカカシ先生の体が硬直した。呼吸を忘れたようにひくり、ひくりと胸が震え、俺を見上げる瞳に涙が盛り上がった。
「キ、キライになったらヤダ…」
こっちの胸が痛くなるような声で言った。
「い、いや…、言い過ぎました。嫌いになるって言うのは嘘です」
「ホント?」
「ええ」
憐れになるほど悄気返ったカカシ先生に、お詫びの意味を込めてキスした。ちゅ、ちゅっと触れ合うだけのキスを繰り返すが、カカシ先生が応えてくれない。それでも辛抱強く口吻けを繰り返していると、ようやくカカシ先生の唇が俺の唇を追い掛けた。唇を離してカカシ先生を見ると、キスを請われる。口吻けを深くして舌を絡めると、ようやくカカシ先生が安心したように笑った。
その間、カカシ先生は俺に押さえつけられたまま手を振り払う事もなく、微動だにしなかった。
(…どうしてこの人こんなに俺のこと好きなんだろ?)
上忍だから俺なんて簡単にはね除けられるだろうに、それをしない。いざとなれば伽でもなんでも命令すればいい。だけどそれをしない。
カカシ先生が求めているのが俺の体じゃなくて、心なんだと分かる。
「………絶対に噛んだりしないでくださいね。口はそんなに大きく開けなくていいです」
照れ臭かったから、きつくに注意した。俺の言った事を理解したカカシ先生が頬を染めて大きく頷いた。でも不安だったから手は離さなかった。今はイイコにしてるけど、興奮するとカカシ先生は何をしでかすか分からない。
カカシ先生の手を纏めて片手で押さえると、空いた手で中心を支えてカカシ先生の口に近づけた。そうっと開かれた唇に先端を当てる。
「もう少し開いてください」
そう言うと、迎えに来た舌がちろりと先端を舐めた。確かめるみたいに、ひた、ひた、と舌を当てながら口を開く。その中に徐々に腰を進めると、俺の中心はカカシ先生の口の中に飲み込まれていった。半ばまで咥えられて、初めて経験するカカシ先生の熱い口腔に溜め息を吐いた。
← →