果たして、屋敷に帰るとイルカはリビングに居た。帰りを待っていてくれたのだろうか?
ソファで眠るイルカに聞けない。カカシはバラの花を傍に置くと二階に上がって、毛布を取ってくるとイルカに掛けた。
「イルカ、ゴメンネ」
そっと髪を撫でると額に口吻けた。
ナルトに酒臭いと言われたのを思い出してすぐに離れる。自室に引っ込むと、ベッドに横たわった。すぐに眠気が襲って目を閉じる。
コンコンとドアが鳴ったのは、昼を過ぎてからだった。
(イルカだ!)
ハッと飛び起きると、ドアへ向かった。思えばイルカがカカシの部屋へ来るのは初めてだ。そんな事を思いながらドアを開けると、イルカが立っていた。
「あの、これ…。ありがとうございました」
綺麗に畳まれた毛布を差し出されて受け取った。用はそれだけだと、踵を返すイルカにカカシは言葉を無くした。だけど、ここでなにも言わなければ、本当にイルカの気持ちが離れて行く気がした。
「待って、イルカ。話がしたい。入って?」
カカシがドアを大きく開けて迎え入れると、振り返ったイルカが引き返してきた。すぐにその腕を取って、部屋に閉じ込めたい衝動が湧き上がる。カカシはそれを堪えて、イルカが部屋に入ってくるのを待った。
イルカが一歩足を踏み入れる。その瞬間、カカシの心を満たしたのは喜びだった。イルカが初めて入る部屋に、珍しそうに視線を移した。その体をそっと抱き締める。
「イルカ…」
やはりイルカがスキだった。嫌われても、酷い事言われてもいい。イルカのちょっとした事でカカシは幸せになれる。カカシをこんな気持ちにしてくれるのは、イルカしか居ない。
「…カカシ、話って?」
例えイルカが同じ気持ちで無くても、我慢しようと思った。
「ううん、もういい。少しの間だけこうさせて?」
イルカの髪に唇を触れさせて、香りを吸い込む。腕の力を強めても、イルカは嫌がらなかった。
「イルカ…ダイスキ」
ひっくとイルカの体が震える。
え?とイルカを覗き込むと、イルカは泣いていた。やはり、カカシに触れられるのは嫌だったのだろうか?
「イルカ、ゴメン。もうしないから…」
「違うんです…。俺…、カカシに血を吸って欲しくないんです…」
ああ、とカカシは頭を抱えたくなった。
「イルカ、それは無理だよ。吸血鬼は人の血でしか生きていけない。どうしても必要なんだよ。分かって……?」
するとイルカは、違うと首を横に振った。
「俺…、カカシが誰かに触れるの…嫌だ…」
(えっ、そっち!?)
吃驚して引っ繰り返りそうになった。
「イルカ、もしかして焼きもち焼いてるの?…心配しなくても大丈夫だよ。人間なんてエサだよ?」
「でも、嫌だ…っ」
ぽろぽろと泣き出したイルカに、カカシは悶えそうになった。
困った。でも嬉しい。もの凄く嬉しい!
(もうダメだ)
カカシはイルカをベッドに押し倒して唇を重ねた。舌を差し込むと、すぐにイルカが吸い付いてくる。唾液を絡め合って、深く口吻ける。ズボンの中に入っていた服の裾をひったぐると、手を入れた。素肌を撫で擦って、胸へと上がる。口吻けながら、胸の突起に触れると、体の下でイルカがビクビクと震えた。服の中で、カリカリとイルカの乳首を引っ掻く。
「ふぁっ…あっ…」
甘い声に理性が弾け飛んだ。
「イルカ…っ」
今すぐ押し入りたい衝動が込み上げて、イルカの足を開くと下肢を合わせた。服の上から互いのモノを擦り合わせる。
「あぁっ…あっ…あぅっ…」
イルカの性器が硬くなって、カカシの性器を押し返す。
「あっ、あっ…だめっ…イっちゃうっ…」
もう? と思ったけど、カカシは一際強く腰を押し付けると、イルカの性器の上で腰を振った。
「あっ…、カカシッ…、あぁっ…」
すぐにイルカの腰がビクビクッと震え、射精したのを知る。はぁはぁと快楽の余韻に息を荒げるイルカに、カカシは自分がイクを堪えて、イルカのズボンを寛げた。ファスナーを下ろすと、べったり濡れた下着が現れて熟れた匂いが立ち上ぼる。
カカシはそこに顔を埋めると擦り付けた。滲み出た精液がカカシの顔を濡らす。
「あっ! 嫌だ…カカシっ…」
イルカの指が髪に触れたが、構わず下着ごとズボンを下ろすと、白く濡れた性器に舌を這わせた。
「ひっ…アァッ…」
イルカにフェラチオをした事はない。セックスすら嫌がられていたから、そんなことをすればもっと嫌がられるだろうと思った。だけど、今はしたかった。
一度体を起こしてズボンを膝まで下ろすと、膝裏をイルカの胸へと押し上げた。赤ん坊がおしめを替えられる姿で、イルカが股間を晒す。
「あっ! やだっ、カカシッ…、だめぇ…っ」
「いやだ。したいんだもん。イルカ、させて…」
濡れた竿の上で舌を這わせると、濡れた袋まで舐めた。その奥の窄まりにまで舌を届かせると、イルカが打ち上げられた魚みたいに震えた。
(そういえば…、イルカが空腹じゃない…)
そんな状態で抱き合えばどうなるのか。
素で乱れたイルカが見たかった。たっぷり後口を濡らすと竿へ戻って、先端から口に含んだ。
「あぁっ!」
頭を上下させると、イルカが感じ入った声を上げた。
(良かった。カンジてる…)
口の中でグンと性器が張りを増し、甘い味が舌の上に広がった。
(美味しい…)
イルカの体液はどこを舐めても甘い。人間だった時は甘い物が嫌いだったが、イルカの甘さは極上の果物を食べたみたいに美味しく、好きだった。もっと、と先端の柔らかい所に吸い付くと、イルカが「あっ、あっ」と、甘い声を上げた。
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