絶対言わない 31
そんなこと、そんな嬉しそうな顔で言わないで欲しい。
まるで遊ぶように腹に出来た小さな水溜りに指で触れるカカシに声が出ない。
いくら下肢にまだ痺れるような快楽が残っているからといって、射精するところを見られて恥ずかしくない訳ない。
波が引いていくと、その感情はますますはっきりして体を捩った。
身の置き場が無いとはまさにこのことだ。
せめてうつ伏せになって隠そうとすると、カカシの手が止めた。
開かせた足の間に体を割り込ませると身を屈める。
「ちょっ、やめろよ・・っ」
吐き出したものに顔を近づけられて声を荒げた。
荒げたつもりだったけど、実際には掠れた声しか出なくてカカシに届かない。
くんくんと匂いを嗅がれて身を焦がしながら押しのけようとカカシの頭に手を掛けると、性器の先端をぬるっとして目が潤んだ。
「あっ・・っっ」
萎えた性器に快楽が走る。
じゅわっと解けるように性器の先が熱くなって、カカシに咥えられているのだと知った。
「やっ!だめっ・・」
そんなとこ口にするなんて!
激しく拒絶する感情が渦巻くのに体は違った。
カカシの口の中で溶けていく。
感じたことも無い気持ちよさを与えられてぐずぐずになった。
カカシの舌が這うと泣きそうになるほど気持ちイイ。
ずぼずぼと頭を上下しながら扱かれると瞬く間に性器が張り詰めた。
「ああっ・ぁぁあっ・・ああぁ・・」
こんなの知らない・・、こんなの知らない・・。
大きすぎる快楽に涙が溢れる。
裏筋を舌で辿られて両足がぶるぶる震えた。
カカシの唇がちゅっと袋を吸い上げる。
「アアっ」
びくんと震えると、カカシの指がもっと奥を探った。
窄まったところを撫ぜられる。
「ひっ・・」
自分でも触れることの無いところを触れられて、気持ち悪さに体が竦んだ。
なにかのぬめりを借りたカカシの指がそこでうねうね動く。
中に這入ろうとぐっと指で押されると、恐慌をきたして足をばたつかせた。
「ひっ・・やだっ・・こわいっ・・やだ・・っ」
「イルカ・・?イルカ・・!」
「ふぅぅぅっ・・ひっ・・く・・」
指がそこから退いた。
涙でぐしゃぐしゃになった顔をカカシの手が拭う。
視界が晴れると不安そうな顔をしたカカシが現れた。
ほっとしてますます涙が溢れる。
「うぅぅっ・・、カカシ・・こわい・・」
「うん。ごめんネ、ごめんネ」
泣き言を言ってもカカシは怒らなかった。
嫌な顔もしないし、がっかりした素振りも見せなかった。
何度も何度も頭を撫ぜられて、気持ちが落ち着いていく。
そして約束を思い出した。
一つになろうと言っていたのに。
そしたら使うところはココしかないと知っていたのに。
今更ながらに思い出して申し訳なくなった。
カカシを見上げれば辛抱強く俺の頭を撫ぜている。
表情を見るともうやめようと言い出しかねない顔をしていた。
カカシだって感じたいはずなのに・・。
足に当たる硬いモノにカカシを想った。
「ごめん、カカシ。・・もう大丈夫・・」
「ホントに?無理しなくていいんだよ」
「ちがう。無理してない・・」
言いながら、カカシの下肢を探った。
手が届くとそこは服の上からでも分かるほど張り詰めている。
きゅっと指に力を入れるとカカシが息を詰めた。
「カカシも・・気持ちよくなってほしい・・」
だってさっきから俺ばっかイっている。
カカシはまだ一度もイっていなかった。
「・・・わかった。でも本当に痛いことなんてしないから。怖がらなくていーんだよ。ちゃんとここにも気持ちいイイところがあるから。ちゃんと、気持ちよくするから」
うん、と頷くとカカシが体を起こした。
下肢に着ていたものを脱いで取り払う。
勃ち上がったカカシに赤面しかけたが、ちょっと安心してしまった。
だって絶対這入るはずがない。
あんなおっきなものがあんな狭いところに這入るはずがない。
入り口で立ち往生するカカシを思い浮かべて思案する。
最終的には俺も手とか口でしてあげたらいいかと決めて身を任せた。
もう一度足の間を陣取ったカカシが俺の性器を摩る。
萎えていた性器が芯を持ち始めるとまた口の中に入れてくれた。
「・・あっ・・あっ!」
「・・口でされるのキモチイイ・・?」
「・・う、うんっ・・!」
快楽に飲まれながら必死の思いで頷くとカカシの口元が緩んだ。
柔らかな先端をちゅっと吸い上げられ、鈴口の淵を舌先でくるくる舐められる。
「あっ・・ああっ・・あ・・」
再び快楽に意識が染まると、カカシの指がソコに触れた。
不安に眉を寄せると、じゅっと強く吸い上げられる。
「ああっ」
気持ち悪さよりも快楽が勝って、意識は前に集中した。
その間にカカシが手早く入り口を解した。
「・・指、挿れるね」
こくこく頷くと、前を弄りながらカカシの指が慎重に中に這入って来た。
思っていたような痛みは無く、ただ指の感触だけがする。
ぐりっと指を回すようにするとすぐに入り口まで抜け出て、また中へと戻ってきた。
中を濡らそうとしているらしい。
そうしていると指の出入りがスムーズになって滑らかに動くようになった。
「もう一本挿れるね」
ぐいっと入り口を開かれて圧迫感が増した。
二本纏めて抽挿すると腸壁を探るような動きをする。
ぐりぐりと壁を摩る動きに不思議になった。
別に気持ちよくない。
・・だって腸だもんな。
カカシはああ言ったけど、きっと俺を宥めるためだったんだろうと納得しかけると、それは突然来た。
「アアァッ!」
射精したと思った。
体の奥から性器へとぎゅんと快楽が走り抜ける。
だけど性器はカカシの口の中で張り詰めて硬さを保っていた。
「・・ここ?」
なにが?なんて聞く間もない。
「アアッ・・アッ・・ア!」
カカシの指が性器の裏側を押し上げるように抉る。
そうされるとどうしようもないほど気持ちよくて嬌声が上がるのを抑えられなかった。
たらりと竿に先走りが流れる。
カカシは動きを変えて抽挿しながらソコを突き上げてきた。
「ア!・・アッ!・・アッ・・アッ・・」
二本の指がソコに当たるたび声が上がる。
閉じれなくなった唇から唾液が溢れて、カカシがそれを舐め取った。
いつの間にか性器はほったらかしにされている。
それでも硬く張り詰めた性器は天を向いていた。
指が増やされて刺激が強くなる。
「ア・・ア・・カカシ・・っ、カカシぃ・・っ」
もうイかせてほしい。
たまらなくなって懇願する視線を向けると指が引き抜かれた。
途端に腹の中が空いて物足りなくなる。
あと一歩で射精というところまで導いたくせにあんまりだ。
「やあっ・・かかしぃ・・、あっ!」
ぐいっと胸に向かって膝裏を持ち上げられて胸が圧迫された。
苦しさと同時にさっきまで指があったところに熱いものを押し当てられる。
それがカカシの性器だと気付いた瞬間、ぐっとソコが圧迫された。
ぐいぐいそこを押されて首を横に振る。
「あっ・・ムリ・・」
そう思ったのに、少しづつカカシが中に這入って来た。
入り口がカカシの大きさに合わせて形を変える。
「あ・・あ・・ひっ!・・痛っ・・、カカシ、痛い・・・!」
「ゴメン、我慢して・・」
痛いことしないって・・!
泣き言が頭を過ぎったが、強引に腰を進めてくるカカシに息も絶え絶えになる。
「ぃ・・あ・・」
「イルカ、息して・・」
苦しげなカカシの息に無理と思った瞬間、ずんと重い衝撃が体を貫いた。
カカシの張り出た部分が通り過ぎて一気に奥まで這入り込む。
「アアッ!」
びちゃっと何かが頬で弾けて流れた。
・・俺・・イったのか・・?
匂いからそう思ったが目の前の自身はまだ張り詰めている。
ぐんっと体の中のモノが大きく膨らんだ。
「あっ」
「・・イルカ」
苦しげに眉を寄せたカカシが俺の濡れた頬を拭う。
「ゴメン、動く」
「・・え?」
ぼんやりしてる間に、カカシが腰を引いた。
ずるっと大きなものが抜け出て、また奥へと這入り込む。
馴染ませるように数度その動きを繰り返すと、抽挿が滑らかに出来るようになった。
中が濡れていくのを感じる。
カリの部分が行き来するたびにビクンとなるところがあった。
さっきカカシが見つけたところだ。
通り過ぎるだけの弱い刺激を与えられる。
ソコにもっと強い刺激を欲して腰を捩るとカカシが動きを変えた。
狙い済ました動きで的確に何度もソコを穿たれて嬌声を上げる。
「あっ、・・あっ、ああっ、ァアッ」
気持ちよさに先走りが溢れた。
気付いたカカシの手がソコをくるんと覆う。
中と同時に先端も苛められて嬌声は啼声に変わった。
「いやあっっ、出るっ・・ああっ・・」
今にも出そうなのに、カカシが微妙に加減してイかせてくれない。
あまりの射精感に狂いそうになりながら性器を掴むカカシの手を掴んだ。
「カカ・・しっ・・もうダメぇ・・かかし・・っ」
「イルカ、もうちょっとだけ・・」
「いやっ・・!もうイクっ!もうイクっ・・!」
「ん。・・わかった」
俺の指ごと性器を握りなおしたカカシの手が素早く上下する。
「あっ、あっ、あっ、あっ」
張り詰めた性器へ射精を促す動きを与えられて目の前で光が弾け飛んで意識が白く霞んだ。
絶頂向かってきゅううと体が収縮して、狭くなった腸壁でカカシの大きさや形をリアルに感じる。
火傷しそうなほど熱くなったソコを最奥までねじ込んだ性器で激しく穿たれたのと、ぐりぐりと鈴口を刺激され、今まで感じた事無いような絶頂感に前を弾けさせた。
「あっ、ああっ、ぁあァっ」
絶頂が長く深く続く。
意識を飛ばしかけると、ぐっと体を押し付けたカカシが最奥で弾けた。
じわっと温かいものが体の奥で広がる。
そのことに幸福感が広がった。
はあはあと足りない酸素を補いながら快楽の波が引いていくのを待つ。
しばらくすると足が下ろされ、詰めていた息を吐いたカカシが覆いかぶさってきた。
「イルカ、だいじょうぶ・・?」
頬に手を添えられて頷いた。
「どっか痛いとこない?」
撫ぜるよう鼻傷の上を滑る指に瞼を開く。
汗に前髪を張り付かせたカカシが心配そうに俺の顔を覗き込んだ。
はあはあと胸を上下させ呼吸を乱している。
そんなカカシを初めて見た。
そのくせ俺のことを心配なんかしたりして。
カカシのことがたまらなく愛しくなった。
好きだったけど、抱き合ってからはもっともっとカカシのことが好きになった。
「カカシ・・」
名を呼ぶと、ほっと表情を緩めたカカシが軽く唇を啄ばんだ。
労わるような優しいキスをたくさんくれる。
火照った体は快楽の余韻にジンと痺れて、カカシが上に乗ってるのに宙に浮いてるみたいにふわふわした。
「カカシ・・」
「うん?」
「セックスって気持ちいいのなー・・」
一瞬啄ばむのを止めたカカシの頬が赤く染まった。
「そ、そう・・・?」
「うん。こんなに気持ちイイなんて思わなかった」
ほにゃーっと笑って言うと、もごもご口を動かしていたカカシが「オレも」と呟いた。
耳まで赤くしてテレまくっているカカシを見ていると幸せな気分が溢れ出て可笑しくなった。
体がすごく疲弊していたから小さな笑いになったけど、それでも体を揺らすと、「あっ」と二人して声を上げた。
カカシの耳がますます赤く染まる。
ココがこんなに敏感だなんて知らなかった。
中で少し大きくなったカカシを感じる。
「イルカ・・」
掠れた声でカカシが俺を呼んだ。
「もう一回したい・・。いい・・・?」
動きを止めたカカシが慎重に息を吐き出す。
きっと俺が駄目っていったら抜いてくれるのつもりだろう。
だけど、駄目なんて言える訳ない。
体内にカカシの熱を感じて俺の体も熱くなっていた。
「い・・、いいよ・・っ」
言ってから、了承の返事を返すのがこんなにも照れくさくなるものなのだと知った。
カカシに負けないくらい赤くなると笑みを浮かべたカカシがこつんと額を合わせた。
こんな幸せそうに笑うカカシを見たことが無い。
見惚れているとゆっくり動き出したカカシが中で熱を育て始めた。
少しづつ硬さを取り戻していくカカシに呼吸を乱す。
再び熱に攫われる予感に、カカシの背中に手を回すとしっかりしがみ付いた。