○月×日 イルカ先生って謎の人だ。
心配事が出来た。
先日のイルカ先生の無鉄砲ぶりを見てから、報復を受けやしないかと気が気でなかった。アイツとは浅からぬ因縁がある。言い寄ってきた女を相手にしたら、アイツの女だったのだ。以来、執拗な嫌がらせを受けている。
イルカ先生が強いのは分かったが、虎視眈々と狙われたらどうなるのか。それとなく注意を促してみたが、イルカ先生は笑って取り合わなかった。
そんな折、イルカ先生を迎えに受付所へ向かうと、廊下の端で男と話すイルカ先生が見えた。
イルカ先生が殴ったあの男だった。
足早にイルカ先生の方へと向かうと、男がオレに気付いて気まずそうな顔をした。何事かイルカ先生に言うとこっちに向かって来る。イルカ先生に殴られた頬が赤紫色に変色していた。
「お疲れ様でした!」
男の背に声を掛けるイルカ先生と、男が一瞬浮かべた照れくさそうな顔に疑問が湧くが、
「……今まで悪かったな」
すれ違い様、ぼそっと聞こえた男の声に仰天した。
(えっ!?なに??何事!?)
有り得ない男の言動に目を剥く。男もそう思ったのか苦い顔をして、チッと舌を打ち鳴らしたが、今までのトゲトゲしさは消えていた。
「あっ!カカシ先生!」
嬉しそうに駆けてきたイルカ先生を受け止めて、瞳を覗き込むと晴れ晴れとしている。オレが危惧した様な出来事は無かった様だが、
「イルカ先生、アイツになんにもされなかった?ケガしてない?」
無事を確かめると、イルカ先生がカラッと笑った。
「大丈夫だって言ったじゃないですか。話してみるといい人ですよ。お土産も貰いました」
「みんなで食べるんだ」とはしゃぐイルカ先生を凝視する。
(アイツがいい人!?お土産!?)
一体アイツとの間に何があったのか。
イルカ先生って何者!?