candy bar 6
腰にタオルを巻いて風呂から上がってきたカカシ先生と入れ違いに風呂に入った。風呂の造りはアカデミー寮と同じだったから、使い方はすぐに分かった。
俺が上忍寮の風呂に入ってるなんて変な感じだ。これからカカシ先生と抱き合うのはもっと変な感じだが。
そんな日は、もう来ないと思っていた。
深く考えると、ぐるぐる目が回りそうだったから体を洗う事に専念した。特に『間』と名前の付くところ。指の間や皺の間。ゴシゴシ泡を立てて丁寧に洗った。
髪は乾かすのに時間が掛かるから洗わずにおいた。
(髪は後で良いよな…)
後、を思い浮かべてボッと火を噴いた。後とはカカシ先生との事後だ。
(つか、俺ちゃんと出来るのか!?)
緊張で心臓がバクバクした。ちらっと見たカカシ先生の肢体は格好良く引き締まっていた。俯いて自分の腹を見ると、少しばかり風呂から出るのが嫌になる。もっと鍛えておけば良かった。恰好悪いと思われたら嫌だ。
「……」
ザーッとシャワーが床を叩く。
「ええいっ!」
パンッと両頬を叩いてシャワーを止めた。きっとなんとかなる!
体を拭き、カカシ先生を真似て腰にタオルを巻いた。きゅっと腹を引っ込めて、カカシ先生の待つ寝室に向かった。
カカシ先生はベッドに座っていたが、俺を見て立ち上がった。
「お、おま。…ごほっ…お待たせしました」
「ウン」
カカシさんがふわりと笑った。手首を掴まれ、並んで座る。部屋は明かりが消されたままで、窓からの月明かりがベッドを照らしていた。
まずはキスだろうか。俺から行った方が良いのか、カカシ先生から来るのか。
「あっ!」
「えっ」
突然カカシ先生が声を上げた。
「イルカ先生、お茶」
「は?」
「イルカ先生、さっき順番って…。お風呂が先になったけど」
「ああ!」
言った。言ったけど、このタイミングでお茶はどうなんだ?
思ったが、カカシ先生が真剣な顔をしていたので盆に載った湯飲みを受け取った。風呂上がりで喉が渇いていたし。
ベッドに腰掛け腰にタオルを巻いたままお茶を啜った。ぬるい。カカシ先生がじっと俺の横顔を見ていた。頬がジリジリ焼けそうだ。がぶっと一気に呷った。
「飲みました」
湯飲みを返すと、カカシ先生は素早くサイドテーブルに置いて向き合った。
「イルカ先生」
「はい」
緊張で声が掠れた。カカシ先生の手が持ち上がって頬に触れた。心臓が飛び出そうなほどドキドキした。カカシ先生の顔が斜めに傾いて、近づいて来る。唇が触れそうになり目を閉じた。
「………」
いつまで待っても唇が触れない。薄目を開けてカカシ先生を見た。
ばっちり視線があった。ずっと俺の顔を見てたのか!
「恥ずかしいじゃないですか!するならさっさとしてください!」
「ゴメン。なんだか信じられなくて…」
だからって確かめるな!
カカシ先生の腕を引いて、ベッドに横たわった。
「わっ!イルカセンセ…!?」
答えず、にじり寄って顔を近づけた。カカシ先生の目が揺れる。顎を上げて、軽く唇を触れ合わせた。瞳を覗き込むと、とろりと瞼が落ちた。
唇を軽く食んで感触を確かめる。カカシ先生の唇は、薄いけど柔らかかった。
(気持ち良いかも…)
角度を変えて触れ合わせる。繰り返すとカカシ先生からもしてくれた。
腕から手を離して体に触れてみた。肌がすべすべだ。手の下に筋肉の張りを感じた。凄い。無駄な肉が一切付いていない。ペタペタ体に触れまくる。これが上忍の体か。
「イルカせんせ…」
先生と呼ばれて、はっとした。なんだかいけない響きだ。カカシ先生が相手だと特にそう感じる。
ちょっとだけ唇を離した。カカシ先生の唇が追い掛けてくる。それでも離れると、カカシ先生が瞼を開けた。
「カカシ先生、俺を先生って呼ぶの止めません?」
「でもイルカ先生も『先生』って…」
「あ、そうか。じゃあカカシさん」
ぽわっとカカシせ…じゃなく、カカシさんの頬が桃色に染まった。
「イ、イルカ…、イルカ、さん」
照れ臭そうに呼ばれた。
「呼び捨てで良いですよ」
「イルカ…?」
「はい」
返事をしたら、ぎゅうっと抱き締められた。胸の中がほこーっとなって、俺もカカシさんを抱き返した。肌の温かさが心地良い。
「ダイスキ。イルカ」
「俺も」
自然と笑みが零れて、緊張が解けた。肌が触れ合う恥ずかしさも薄れていく。
「イルカ」
名前を呼ばれて顔を上げれば、唇が重なった。心に羽が生えたみたいにふわーっとなる。
角度を変えて重なる唇にウットリした。なんて気持ちいい。カカシさんの手が肌を撫ぜる。きゅっと揉まれると淡い電流が広がった。
手が下がり、腰のタオルが解けた。探るように前に触れられて腰が跳ねる。カカシさんは俺の性器を手の中に包んで握った。硬さを確かめる様にきゅっ、きゅっとしてから緩く扱きだした。
「…っ、カカシさ…」
直接的な刺激に腰が熱を持った。単調な動きだったけど、すごく気持ち良い。
「お、俺も…」
カカシさんのタオルの下に手を伸ばした。足の間に触れ、ペタペタと上の方へ移動すると、完勃ちしたものが手に触れた。
もうイケるんじゃないかってほど熱く、張り詰めている。
「…っ」
握るとカカシさんが息を詰めて腰を跳ねさせた。恐る恐る上下に動かせば、ドクリと鼓動して更に硬くなった。まだ大きくなるのだろうか?普段握っている自分のものより、カカシさんのはずっと太くて勝手が違う。
唇を触れ合わせたまま扱き合った。互いの弾んだ息が唇に触れる。緩急を付けてカカシさんを扱いた。
「イルカ」
とろりと熱の篭もった目でカカシさんが俺を見ていた。すごくエッチな顔だ。俺までエッチな気分になった。
カカシさんの手の動きが速くなる。きゅっと眉を寄せて快楽に耐えた。
そろそろカカシさんはイクだろうか?
先端に触れるが濡れてはいなかった。カカシさんが真似て俺の先端に触れる。
「あっ」
とても感じる所だったから、思わず声が出てしまった。変な声だったのが恥ずかしくて、かぁっと頬が熱くなった。
(俺ってばなんて声…)
気を付けようと思ったが、カカシさんは何度もソコに触れた。カリをグリグリ苛まれる。
「…っ、…んっ」
「イルカ、ココ気持ち良いの?」
純粋な目で問われて頷いた。男なら誰でもソコは気持ち良いだろう。ぬるっとカカシさんの指が滑り、先走りを零しているのに気付いた。塗り広げるように先端で弧を描かれ、ますます気持ち良くなる。
「んっ…ふぅ…んぅっ…」
「もうイク?」
コクコク頷いた。イキたい。限界だ。
「カ…ひぁっ」
カカシさんは?と思ったけど、いきなり追い上げられて甲高い声を上げた。
「あっ…あっ…まっ…」
止めようとしたが、口を開くと変な声が出てしまい唇を噛んだ。
「可愛い声。もっと聞かせて」
(んなわけあるか!)
罵倒は頭の中だけでした。くちゅくちゅと水音が響く。俺もカカシさんを追い上げようとしたが、手を押さえられた。
(どうして…?)
カカシさんを見ると俺の股間を見ていた。
「あっ」
恥ずかしさよりも体が熱くなった。
「だ、だめ…っ」
見ているのが駄目なのか、一人だけイカされるのが駄目なのか分からなかった。思考を上回る快楽が押し寄せて抗えなくなる。
「あ…っ、イクッ…あぁっ」
びゅるるっと先端から精液を吹き零し、絶頂の快楽が全身を貫いた。勢い良く飛ばした後も、びゅるっ、びゅるっと立て続けに出て、カカシさんの手を濡らした。
「ア…あっ…んぁ…」
イったのにまだ扱かれる。はふはふと息を吐いて快楽を逃がした。全身が甘く痺れて動けない。
まだ呼吸が整わないうちに片足を持ち上げられた。カカシさんが俺の上に覆い被さる。足の間に入られて、カカシさんの体分足を開いた。
「カ…カシ、さ…」
カカシさんが首に顔を埋めて、唇を這わした。手が胸に触れて乳首を摘んだ。
(あ…)
俺が抱かれる側に回るのだと気付いた。
肌が自分が出したモノで所々濡れていた。独特の匂いをさせているのが恥ずかしい。
(カカシさんも早くイッてくれれば良いのに)
そう思ったとき、濡れた指が後口に触れた。ぬるぬると擦られて、内股が引き攣った。
顔を上げたカカシさんが俺の顔色を窺っている。恥ずかしいからそっぽ向いた。
「イルカせんせ、オレが抱いていい?」
後口に指を置いたままカカシさんが聞いた。呼び方がまた先生に戻っている。どういう心境の変化か知らないが、こんな体勢で確認しないで欲しい。
「い…いいですよっ」
唇を小さく動かした。
「うんっ」
晴れやかに笑ったカカシさんがぐりぐりと胸に顔を埋めた。ちゅっちゅっと胸に口吻ける。
「イルカ先生、ダイスキ」
指がまた動き出した。いつ中に入ってくるのかドキドキしていると、乳首を吸い上げられた。
「ふわ…っ」
吃驚して声が出てしまった。気を良くしたカカシさんがそこに居座ってペロペロ舐め始め、こそばゆい感覚が沸き上がる。指が反対側をぐにぐに捏ねていた。足の間ではどこからか滑りを拾ってきた指先が後口を撫でる。
「…っ、…んっ…」
あちこち触られて、何処に集中してガマンすれば良いのか分からなくなった。
「あっ…や…ぁっ…」
胸がやばくて、込み上げる快楽をガマンしようすると、ぐっと窄まりを押して指が体の中に這入って来た。
「はっ…あぁっ…」
「スゴイ、熱い」
目を閉じたカカシさんが独り言みたいに呟いた。指を前後させてすぐに出て行く。その手が腹を撫で、また中に這入って来た。
(あ、俺のか)
滑りの正体に気付いた。カカシさんは俺の精液を使って中を濡らしていた。たくさん出たから丁度良かったのだろう。次からは何か用意しなくては。
(次…あるのかな…)
今日でカカシさんが俺を嫌にならなければ良いが。カカシさんの背中に腕を回した。
はっと顔を上げたカカシさんが微笑んだ。唇が重なり、ちゅっと濡れた音を立てた。
俺の体を弄りながら、カカシさんが嬉しそうに笑う。たらーっと腹に熱いモノが落ちて来て何かと思えば、カカシさんが先走りを零していた。
(可愛い人だなぁ)
頭を撫でると、へへって顔で笑って頬を擦り寄せて来た。全身から俺を好きだと思っているのが伝わって来る。
「イルカ先生、イルカ…」
首筋に強く吸い付かれてれ、胸がジンとした。カカシさんの腰をきゅっと足で挟んだ。カカシさんをもっと感じたい。
「イルカ?」
「もう挿れて良いですよ」
「まだもうちょっと」
そんなに汁を溢れさせてるくせに、カカシさんは首を横に振った。すでに指は二本這入っているのに。
「もう良いですってば」
「飽きちゃった?急いで慣らすから待っ…」
「ちがう!カカシさんも、気持ち良くなって」
「オレは充分気持ちいーよ」
ふわりと優しい目で見つめられて、目が潤んだ。
(なんだよ、コイツ…)
そんなに俺が好きなら、もっと早く好きって言ってくれよ。
「イルカ…?」
カカシさんが好きだ。
首の後に両腕を回して引き寄せた。カカシさんがしてくれたみたいに頬をくっつける。
「カカシさんが好きです」
「ウン」
どうしてだろう。こんな短い間に、もっともっとカカシさんを好きになっていく。
「カカシさん…」
「ウン?」
「カカシさん」
何度も名前を呼んだ。ただそうしたくて。俺の中がカカシさんでいっぱいになっていく。
「イルカ…」
深いキスをした。指を抽送させていたカカシさんが三本目の指を挿れた。薄く引き伸ばされた後口が裂けるんじゃないかと怖くなったが、舌を絡み合わせて意識を逸らす。
カカシさんは空いた手で俺の前を扱いた。イかないように加減されて、また勃ち上がる。
「んぁっ…ふ…ぅ…っ、あっ」
中の指先が時折ヘンなところに触れた。ソコに指が触れると、甘い痺れが沸き上がる。
(なんだ…?)
勘違いかと思っていたら、カカシさんが腸壁を探り出した。軽く曲げた指先で中を引っ掻く。
「や、やです…。変なことしないでください」
唇を離して言ったが、ぐっと腸壁を腹側に押された時、すごい痺れが襲った。
「あぁっ」
下肢が意識に反してビクビクと震える。
「…ココ?」
訳も分からない内に指を揺らされた。
「ひっ!あっ…」
完全に勃起した性器がトロリと先走りを溢れさせた。
「やっ!やぁっ…」
「でもイルカ…カンジてる」
「あっ…あっ…ソコ…だえぇっ…イク…っ」
そう思ったとき、ずるりと指が引き抜け、痛いほど膝裏を押された。腰が浮き上がり、カカシさんの熱が後口に触れる。
(あ…)
はっと気付いた時、カカシさんの性器が後口を押し広げて中に這入って来ていた。
「あつぃ…っ」
圧迫感が酷くて、それしか言えなかった。指とは比べものにならない。硬い棒をねじ込まれたみたいだった。
「あっ…はあっ…はぁっ…あっ…」
性器の先端が、ぐりっとさっき指で触れられていたところを抉った。
「あぁーっ!」
快楽の波が全身を貫いて抜けて行った。ビクッビクッと全身が痙攣して止まらない。下肢が熱湯に浸かったみたいに熱かった。
「スゴイ…エロい…」
何か呟いたカカシさんが押し込んだ性器を引き抜いた。
「あ…っ、まっ…まっ…」
待ってと言いたかったが、カカシさんが腰を揺らし続けて言えなかった。
剛直が体の中を行き来する。すごい快楽だった。初めて肌を合わせるのに。俺は喘ぐしかなかった。
腰を抽送させるカカシさんの息も弾む。カカシさんは単調に突き挿れるだけでなく、抉る様に回しもした。かと思えば、あの場所で先端を押し付け揺らしたりする。
「アァッ、アッ、あーッ、アッ…」
俺の甘ったるい声と繋がった所が上げる水音と熱の篭もった息しか聞こえなかった。
どれほど突かれていただろう。カカシさんが動きを変えて、ずーん、ずーんと最奥を突きだした。長く擦れた腸壁が火傷しそうな程熱くなる。
「あーっ、あーっ」
重い衝撃と深い快楽に仰け反った。快楽に生命力を根こそぎ持って行かれる気がした。カカシさんは軽々俺の腰を掴んで動き続けている。
(凄い。体力が全然違う…)
ついでに持久力も。
(カカシさんって、いつイクんだ…?)
「はぁっ…ぁっ…はっ…はぁっ…」
だんだん声が出なくなってきた。意識も虚ろになっていく。
「イルカ…っ」
朦朧とした意識の中で名前を呼ばれ、カカシさんの動きが速くなった。何度もイってるのに、また大きな波がやって来る。
「カ、カカシ…さ…あ…」
唸るような声を上げながら、カカシさんが絶頂に向けて駆け上がった。ぐっと強く腰を押し付けられ、奥にびちゃっと濡れた感覚が走った。多分俺もイってたと思う。気持ち良くなってたから。でも確認する前に意識が途切れた。
フンフンと鼻歌が聞こえて、意識が浮上した。なんだかやけに窮屈だ。動こうにも動けない。
顔を横に向ければ、カカシさんがにっこにっこ笑いながら俺を見ていた。
「あ!イルカ、起きた?」
動けないのはカカシさんが拘束していたからだった。がっちり腕の中に囲われている。足も絡まっていた。
ぐっすり眠ったようで、窓の外が明るかった。
(一体…今何時だ!?)
ビクッと跳ね起きようとして邪魔された。
「ダメーッ、まだ起きちゃダメー!」
「ダメって…今何時だ?」
「今は八時だけど、今日は土曜日だーよ。イルカはお休みデショ?」
「なんだ。土曜日か…」
「オレも任務明けで休みなの。今日はずっと一緒にいよ?」
頭の中で任務が何も無かったのを確認し、ホッと体から力を抜いてから、ぶわーっと熱くなった。
カカシさんから漏れ出る甘ったるい空気がこっぱずかしくて堪らない。
(なんだこの甘えっ子は!)
昨日までの遠慮や不器用さは消え去っていた。
(そうだ)
カカシさんは不器用なんかじゃ全然なかった。昨夜の良いように喘がされた記憶が蘇って赤面した。
(もう嫌だ)
離れたいと思ったが、体を離そうとすると拘束がきつくなった。
「どこにも行っちゃダメ」
チュッチュと肩先に口吻けられる。
「あっ、ちょっと!」
手が体を這う。まだ濡れた性器を掴まれた。
「もう一回スル?」
「しません!もう朝じゃないか」
「だってぇー。イルカが先に寝ちゃうんだもん」
カカシさんがぶーっと唇を尖らせた。
「あ…う…」
そういや、カカシさんって何回イったっけ…?
後ろめたさに蓋をした。
「また今度!」
「ホント?」
「本当です!」
「ならガマンします」
ニコニコ笑ったカカシさんが前から手を離した。
(そうか。またがあるのか)
俺がした心配はまったくの杞憂に終わった。
「イルカは俺の恋人ー」
ウキウキした口調でカカシさんが言った。
(そうか。俺はカカシさんの恋人になったのか)
確かな安心を得て、口角を上げた。