こっ恥ずかしくて口に出せない 1
随分早くに目が覚めた。
カーテン越しの光が部屋を明るく染める中、身動きしないでゆっくり瞬く。
背中越しの体温が動かないのを確認して、もう一度目を閉じた。‥カカシさんが起きるまでは起きない。
そう決めて意識を手放そうとするが二度目の眠りがやって来ない。
昨夜、あれほど二人で体を動かすことに勤しんだというのに、一旦目覚めてしまった意識は覚醒へと向かっていった。
ぼんやり目を開けて、また閉じる。
首筋にカカシさんの寝息が掛かって肌を湿らせた。
随分良く眠っている。攻め手の方が良く体を動かすからだろうか?
そんなことをちらりと考えて、打ち消した。
朝っぱらから何考えてんだ、俺。
夕べの行いが頭を過ぎって顔が熱くなった。
俺の上に覆い被さったカカシさんが激しく体を動かした。
その卑猥な動きと力強さに翻弄されたのは、まだ数時間前のことだった。カカシさん、凄かった‥。
ぽうっと頬を火照らせると、カカシさんが身じろいだ。
ドキッとして咄嗟に目を閉じるが、カカシさんの手は迷わず俺の下肢を掴んだ。「ぎゃっ、どこ触るんですか!」
「んー?朝から元気だなぁって思って」確かに、にぎにぎと動く手の中に包まれているものはしっかり勃っている。
「そ、そんなの、生理現象だから仕方ないでしょう!」
「ホントにそれだけ?随分心臓がドキドキしてたけど?」
「!」一体、いつから起きていたんだ!?
そんな質問は愚問だと判っていても恨めしくなる。
しっかり覚醒しているカカシさんに誤魔化しは通用しなかった。「せっかくだから、シよ」
「せ、せっかく!?」どう言う理屈だよ。
俺の疑問は足の間に入り込んできたカカシさんの足に掻き消された。
片足が持ち上げられ、手が尻の肉を開くと窄まりに熱が押し当てられた。「あっ」
痛みを予想して体が竦んだが、狭い入り口を押し分ける熱はスムーズに入ってきた。
「ぅっ‥あ‥」
ぬぬぬと腸壁を擦られ、口から甘い息が零れる。
肌が合わさるぐらい腰を進めると、カカシさんは馴染ませる様に数度腰を抜き差しした。「‥やわらかい」
口に出されなくても判る。
俺の秘所はカカシさんの動きを妨げることなく、熱をひたりと包んでいた。
俺を横抱きにしたままカカシさんが腰を使い始める。
熱い肉が体の中を行き来して、瞬く間に腰が溶けた。「ふぁっ‥んっ‥」
朝はあまり声を出したくない。
唇を噛み締めると、カカシさんが肩を啄ばんだ。
カカシさんも俺が朝から声を出すのは嫌いなのを知っているから何も言わない。
ただ体を起こすと、俺の頬や目元に口付けた。
背中に圧し掛かり、押しつぶすようにぐんと中を強く擦られて甘い刺激が体を突き抜ける。
口を閉じているのが苦しくなって唇を開いた。はぁっ…はぁっ…
繋がったところから生まれる熱が体の中に滞留して今にも発火しそうだった。
熱い‥熱い…
枕に顔を押し付けると、次第にカカシさんの動きが早くなった。
「うぁ‥っ、ぁっ‥っ」
殺しきれない声が漏れて、カカシさんの腕を掴んだ。
も‥イく‥!
聞こえないはずなのに、腰を掴んでいた手が前に回り、後ろの動きに合わせて上下する。
体中の熱が下肢に集まった。
出口を求めて駆け上がる。「アッ‥ア‥!」
硬く張り詰めた先端をすばやく擦られて、熱が飛び出した。
びゅくびゅくと精液を飛ばすたびに甘い快楽が走り抜ける。「くっ」
小さな呻き声とともにカカシさんが動きを止めて、腰を強く押し付けた。
びくっ、びくっと腰が震え、中に温かなものを注がれる。
じわりと腹を満たすソレにぶるっと体が震えた。
俺の腹の中よりずっと熱い。
カカシさんが詰めていた息を吐き出し、背中に覆い被さった。「キモチ良かったぁ‥」
満足そうに囁く声がぼうっとなった耳に届いた。
肩や頬を戯れるように派手な音を立てて吸い付かれる。
快楽の余韻が過ぎると、尻の中が気になった。
飲み込めない肉を口いっぱいに詰め込まれたみたいにもごもごする。「‥カカシさん、抜いて…」
「えぇ〜っ」本当に不満なワケじゃなく、冗談のように拒否するといやいやと腰を振った。
中の液体が動いてくちゅくちゃと音を立てる。
かあっと頬に熱が集まり、カカシさんの腰を後ろ手に押した。「や・だ…っ」
「はいはい」ぬるっと抜け出たカカシさんに繋がっていたところが甘く痺れた。
思わず漏れそうになった声に息を詰めると、軽く頬を啄ばまれた。「今日は一日だって繋がっててもいいのに」
「‥買い物、付き合ってくれるって言いました」怒ってないのに安心して、唇を尖らせるとカカシさんがくすくす笑った。
「うん、ちゃんと覚えてるよ。イルカ先生、誕生日おめでとう」
昨日日付が変わってから何度も貰った言葉をまた貰って、尖らせていた口元が緩んだ。
嬉しい。
ふいにカカシさんが体を起こすと、覆い被さって長く唇を塞いだ。
ちゅくちゅく甘く唇を吸うと音も立てずにそうっと離れる。「…本当に外に出るの?」
ここにいようよと瞳が誘う。
「それはカカシさんの誕生日の時にしてください。俺の誕生日はお出掛けするんです!」
きっぱり言うとカカシさんが諦めたような溜息を吐いた。
「わかったーよ。じゃあ着替えて朝食にしよ。‥その前にお風呂入らないとね」
すらりと美しい肢体がベッドから抜け出る。
恥ずかしげもなく朝の光の中を素っ裸で風呂場へと歩いていくカカシさんを見送った。「‥来ないの?」
振り返ったカカシさんに手を差し出されて目を逸らした。
「…あとで‥うわっ、わっ!」
「一緒に入った方がはやーいよ」
戻ってきたカカシさんが俺を担ぎ上げた。
シーツを掴もうと伸ばした手が空しく宙を掻く。
そのまま風呂場に運ばれて、隠せるものも無く、朝の光が差し込む風呂場の中で、頭のてっぺんから足のつま先まで懇切丁寧に洗われてしまった。
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