目が覚めたら腕の中だった。
ぬくぬくと体を温められ、カカシさんの重みを背中に感じた。
頬に掛かる髪や肌がさらっとしていて、あれ?と思った。
体だけじゃなくシーツまで綺麗になっている。
・・・ちょっとウトウトするつもりだけだったのに。
すっかり眠った体は気だるさの中に甘い痺れを残していた。
何故か眠る前より痺れている気がする。
・・・カカシさん、すごかった。
本当に凄かった。
抱かれたくてカカシさんに纏わり付いたが、あそこまでしてもらえると思ってなかった。
続けざまに3回もイかされて、お花畑が見えた。
いや、違う・・。
4回だ。
最後は後ろだけでイかされた。
思い出すとぼうっと頬が火照る。
カカシさんに貫かれたことと激しい蹂躙に心も体も満たされていた。
求められている。
そう感じる事の出来る情交に心が満たされる。
それで気持ち良ければ言う事無かった。
満足しきった体が幸せに満ちる。
背中を覆う体温がますます幸せを温めた。
心地よくて蕩けそうになる。
ああ、だけど・・。
カカシさんは満足しただろうか?
眠るのは少しだけって言ってたのに・・。
気になって、顔をシーツに擦り付けながらカカシさんを振り返ったら、ぱっちり瞼を開いたカカシさんと目があった。
まるで眠っていなかったような表情にどきっとする。
もしかして、ずっと起きてたなんてことないよな・・?
じっと見つめられて小さくなった。
きっと満足していないに違いない。
俺から誘っておいて、勝手に先に寝たりしたから・・。
「ご・・」
「ご?」
「ごめんなさい、あの・・、俺・・」
しどろもどろに謝るとカカシさんが頬を摘んだ。
痛くは無いけれど首が竦む。
首の後ろに手が回って、ぐっと引き寄せるとカカシさんが顔を啄ばんだ。
「どうして謝るの?」
「だって、俺、先に寝ちゃったから・・。カカシさん、その、満足してないんじゃないですか?」
ふ、と顔を啄ばんでいた唇の動きが止まって、カカシさんが俺を見た。
ずっと胸の底まで見通しそうな視線にたじろぐ。
怒っているのかとオロオロするとカカシさんが頬を膨らました。
「ずっと待ってたのに。まだシたかったのに、イルカ先生オレを置いて先に寝ちゃうんだもん。暗闇に置いてけぼりにされて寂しかったです」
「ご、ごめんなさい!そんなつもりじゃなかったんですけど、つい眠っちゃって・・。俺だけ満足して・・、ごめんなさい」
「・・気持ち良かった?」
「えっ、あの・・、・・・・・・はい」
昨日の夜が蘇る。
かぁーっとなりながら素直に白状すると、ぎゅっとされた。
「ならいーよ」
ふにゃっと解けたカカシさんの頬にぶわっと胸が熱くなった。
自分を置いて俺を優先してくれるカカシさんに強く感動する。
「よくないです!カカシさんも・・!カカシさんにも満足いくまで・・して・・ほし・・」
だんだん言ってる事が恥ずかしくなったが、思ってることは本気だった。
じっとカカシさんを見つめ返す。
「ホントに?じゃあ今夜もシていい?イルカ先生のこと抱かせてくれる?」
嬉しそうな声で強請られて、じんと頬が熱くなった。
嫌なわけが無い。
了承の意味で胸に顔を押し付けると、カカシさんの手が髪を弄り頭皮を優しく撫ぜた。
くすくすと笑う息が髪に触れ、心地よさに目を閉じて温かな体に腕を回す。
足を絡めて密着すると、カカシさんが居るのを実感して、ほっと気持ちが緩んだ。
昨日までいなかったカカシさんが傍にいるのがたまらなく嬉しい。
服の下に手を入れて、直接肌を撫ぜる事でカカシさんを確かめた。
「イルカセンセ、またそんなことして・・」
また、に首を傾げたが、甘く囁くように名前を呼ばれたのが嬉しくて、カカシさんの胸に顔を付けると胸いっぱいに息を吸い込んだ。
カカシさんが好きだ。
腕も香りも体温も全部、存在すべてが好きだ。
そう思える人が伴侶で良かった。
ずっと、そばにいてくださいね。
胸の中でお願いすると、声が届いたように抱きしめる力が強くなった。