時にはそんな日もある 6





「ふははっ!・・やだっ、カカシさん、やっ!」

ぺろぺろ顔を舐めてくるカカシさんから逃げた。
でも顔を背けると首筋を舐められ、首を竦めると耳を舐められた。

「やだやだっ」

ぎゅっとカカシさんの頭を捕まえると腕と頭で挟んで固定した。

「イルカセンセ、そんなに強くしたら、オレ窒息しちゃう」

くつくつと笑うカカシさんの息が首筋に触れる。

――したらいい。

カカシさんを俺でいっぱいにしたくて、全身でぎゅうっと抱きついた。
やっと人心地着いた気がする。
快楽を分かち合い、体の深い所でカカシさんを受け止めて、オレはようやく本来の自分に戻った。
ふくふくと満たされて、カカシさんが居るのが当たり前な自分になる。

「カカシさん、すき」

カカシさんの頭に顔を擦り付けて、こめかみに囁くと、カカシさんが顔を上げた。
柔らかく弧を描いた瞳が俺を見下ろす。

「オレもスキ」

啄ばむように唇が重なった。
カカシさんを抱き寄せ背中を撫ぜると、ふっとカカシさんの体から力が抜けた。
吐精してうな垂れた性器が腹に挟まれ、ずくんと甘い刺激が走る。
重なった腹がくちゃりと音を立てそうなほど濡れていたが、カカシさんは何も言わなかった。
ただ俺の額を撫で付け、唇を甘く食む。
やさしいと思って、俺もカカシさんと同じように唇を食むと口付けが深くなった。
舌が絡まると心臓がどきどきと走り始めて体の奥に熱が篭る。
カカシさんがゆっくり腰を動かし、俺との隙間を無くしていった。
カカシさんが動くと、間に挟まれた俺も擦られ、再び快楽が目を覚ます。
穏やかな律動に甘い波が押し寄せ、体を浚った。
まるで水面に浮かんだ木の葉のように快楽に漂う。
あまりの心地よさにとろとろしていると、カカシさんが言った。

「イルカせんせ、オレの腰に足を回して」
「・・ん」

言われるまま足を絡めると、カカシさんが俺の背中に両腕を回した。
密着した体に誘われて、カカシさんの背を抱く。

「イルカ先生、ぎゅっ」
「ぎゅ。」

熱い肌が心地良くて両手両足に力を込れると、思いがけずカカシさんが俺の体をゆっくり抱き起こした。
重力に逆らって体が持ち上がり、重力に従って体が沈む。

「あっ!」

自分の重さでこれ以上ないほど深くカカシさんに侵入されて体が戦いた。

「・・やっ、くるし・・っ」
「大丈夫、力抜いて」

抱きかかえるようにして、優しく背中を撫ぜられる。

「ね・・?大丈夫デショ」

腰を支えられ、衝撃が薄れると平気にはなったが、

この格好・・。

胡坐を掻いた膝の上に足を広げて跨っていた。
あまりの淫らさに慌てて膝から降りようとすると、カカシさんが腰に回した手に力を入れた。

「ダメ。そんなに下がったら抜けちゃうデショ」

腰を戻され、カカシさんが体の中を擦り上げる。
同時に前がカカシさんの腹に付くぐらい密着させられて、甘く走った刺激に体が跳ねると、前と後ろの両方から快楽が芽生えた。

「あぁっ!」

逃げられない。

「このまま動いてオレのこと気持ちヨクして?」
「えっ」

駄目だと首を横に振るとカカシさんが首を傾げた。

「どうして・・?」
「できな・・」
「出来るよ。前に教えてあげたデショ?イルカ先生、先生なのに教えられたこと忘れちゃった?覚えられなかったの?」
「なっ・・」

そんなこと、俺が先生なのと関係ないじゃないか。

思っても、覚えられなかったのかと言われるのは酷く恥ずかしかった。
身を炙られるように体が熱くなる。
うろたえて、思わず目に涙を溜めるとカカシさんが微笑んだ。

「仕方ないな。じゃあもう一度教えてあげる。今度はちゃんと覚えてね」 「・・・・・・」

何か違う気がする。
違う気はするが、快楽に濁った頭ではおかしいところに気付けなかった。
カカシさんが腰に添えた手で俺の体を持ち上げると、ずるりと体の中の肉棒が動いて意識はますます混濁する。

「あっ・・あぁっ・・」

下げられると、肉棒が壁を擦りあげて甘い快楽が生まれた。
繰り返されると、もはや何も考える事が出来なくなる。

「あっ、あっ、あっ、やだ・・、気持ち、いい・・」
「そう。じゃあイルカ先生、このまま動いてね」

手が離れても、俺は動きを止める事が出来なかった。
腸壁が擦れるたびに快楽が滲み出る。
その刺激を失うことに耐えられなかった。

「あっ・・ふぅ・・はっ・・あぁっ」

硬く、充実したカカシさんが俺の中を行き来する。
俺が腰を振る様子をカカシさんがじっと見ていた。
カカシさんの上気した頬と快楽に溶けた瞳にドキドキする。
俺でもカカシさんを気持ち良く出来るのかと思うと嬉しくなった。

「はぁ、気持ちイイ・・」

うっとりとカカシさんが艶のある溜息を吐いた瞬間、きゅんと体の奥が痺れて、得も言われぬ快楽が走り抜けた。

「ああっ・・」

駆け上がりたい。
だけど、駆け上るためには何かが足りなかった。
いつもみたいな快楽が欲しくて、カカシさんがどうやって俺の中を擦っていたか思い出そうとした。
集中して動いているとカカシさんがキスを仕掛けてきた。
唇を割って舌が潜り込んで来る。
深く舌が絡まり指で乳首を弄られると、快楽が増して腰の動きが疎かになった。
そうすると、カカシさんが腰を掴んで上下に動かす。

「あっ!あっ!」

自分で動くよりずっと良くて、カカシさんに任せようとすると手が離れた。
後ろに手をついて、俺のすることを見ている。
シて欲しくてカカシさんを見ても、知らん顔された。
仕方なく自分で動くが、動きを真似てみてもさっきの快楽には届かない。
なのに。

「・・もうイきそう」

カカシさんが呟いて、俺は酷く焦った。
このままだと置いて行かれそうで、慌てて快楽を拾い集めた。
カカシさんの腹に手をついて、必死に腰を振る。
だけど焦れば焦るほど快楽は遠のいて、もどかしくなるばかりだった。
どう動いても、イけるほどの波がやって来ない。

やだ・・。
もう、やだ・・。

いつもみたいにシてほしかった。
いつもみたいにカカシさんに突き上げられて快楽を得たい。
あまりのもどかしさに泣きそうになる。

「ねぇ・・、このままイっていい?」

カカシさんが熱い溜息を吐いて、俺の我慢は限界が来た。

「ダメ・・!イったらダメです!置いてったらヤダ!」

わあっと泣きそうになりながらしがみ付いた。

「シて!もうカカシさんがシてください!」
「え?イルカ先生、ヨクなかったの?」

ぐずぐず鼻を鳴らしながら頷いた。

「いつもみたいに、ヨクならない・・」

申告すると、くすりとカカシさんが笑う。

「早く言えばいいのに」

体を起こしたカカシさんが俺の背中から尻に手を伸ばした。
抱いてもらえる喜びに、カカシさんに懐いた。
顔を首筋に擦り付け、ぎゅっとしがみ付く。
すぐに動いてくれると思ったのに、カカシさんは繋がったところをぐるっと撫ぜた。

「ねぇ、わかる?ここにオレが入ってるの」

甘い声で囁く。
俺の手を取るとカカシさんはさっきまで触れていたところに持って行った。

「ホラ、繋がってる」

薄く引き伸ばされた皮膚の向こうにカカシさんの剛直がある。
濡れた境目を撫ぜさせられると、俺は酷く感じておかしくなった。

めちゃくちゃにして欲しい。
これで俺をめちゃくちゃに突いて欲しい。

「あっ・・あっ・・カカシさん、はやく・・、早くっ!」
「イルカセンセ・・!」

強請るように腰を押し付けると、カカシさんが俺の尻を掴んでむちゃくちゃに突き上げてきた。
尻に指が食い込み、跡が残りそうな気がしたが構わなかった。
今はそのまま突き荒らして欲しい。

「くぅっ、・・あっ・・あ!・・あぁっ・・はぁっ!」

カカシさんの動きに合わせて腰を揺すった。
湧き上がる快楽に没頭していると、カカシさんの手が尻から離れて俺の手に前を握らせた。

「こっちは自分で」

そう言って指を絡めて擦りあげる。

「ああっ!あっ!あっ!」

俺が自分で動き出すと、カカシさんの手は胸を弄って俺を追い詰めた。
抽送が早くなって、呼吸が追いつかなくなる。
解放はすぐにやってきた。
我慢せずに駆け上がるまま射精する。
痺れるような快楽が体の中心を走り抜けて硬直するとカカシさんも動きを止めた。
ビクッビクッと尻が振るえ、熱い液体が注ぎ込まれる。

「あああ・・」

体から力が抜けてぐったりすると、カカシさんが俺の背を布団の上に下ろした。
はあっはあっと荒い息を吐き、胸を上下させる。
カカシさんが俺の足を掴んで体を返した。

「な、なに・・?」

うつ伏せにされ、腰だけ持ち上げられる。
膝を突いて腰だけ上げる形にされ、酷く狼狽した。
少し休ませて欲しい。
それに後ろからは好きじゃない。
前に逃げようとするとカカシさんが背中に覆い被さった。



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