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○月×日 夢≠願望



○月×日 退院したい。

 1日中ベッドで寝ているのも飽きてきた。退屈でイライラする。
「テンゾウ、退院がいつになるか聞いてきてよ」
「聞かなくても分かりますよ。少なくとも、あと2週間は掛かります」
「2週間…!」
 うんざりした声を出すと、テンゾウが天井の板を外して顔を覗かせた。
「このぐらいなら自宅療養に変えても問題ないデショ?ちょっと行って主治医に話してきて」
「センパイ、傷口が塞がってないんですから無理ですよ」
「どうってことないよ。ああ!もういい!自分で話すから先生呼んできて!」
 叩きつけるように言うとテンゾウが天井から下りてきた。テンゾウの自由に動き回る姿に腹が立つ。むかついて外に視線を向けると、テンゾウが大仰に溜め息を吐いた。
「どうしたんですか?センパイ。ご自分でも分かるでしょう?現時点での退院は無理です」
 諭す口調に、カーッと頭に血が上る。
「イルカはまだ!?どこ行ってるのよ!」
「さっき病室を出たばかりじゃないですか。まだ11時ですよ。授業してるに決まってます」
 ああ言えばこう言う。苛立ちが最高潮に達して、布団を頭から被ってテンゾウを閉め出した。
 また溜め息が聞こえたが、しばらくして気配が消えた。
 布団の中でじっと蹲り、イルカのことを考える。
(イルカ、イルカ、イルカ…!)
 イルカを抱き締めたかった。イルカを抱き締めて、あの硬い体を感じたい。イルカの匂いが嗅ぎたい。首筋に鼻先を埋めて、イルカの濃い匂いを思いっきり吸い込みたかった。イルカを裸にしたい。想像しただけで、足の間が熱くなってくる。――オレは、溜まっていた。
 入院してから一度も抜いてない。一週間は気絶してたし、その後もいろいろあってイルカが弱っていた。落ち着いてからもイルカは夜にはネコになるし…。
(そうだ、ネコ!)
 イルカがいけないんだ!
 オレだって暗部まで努めた上忍だ。性欲のコントロールなんて慣れているのに、イルカがココを触ったりするからおかしくなった。抜きたくて仕方ない。
 だけど自慰で満足するとは思えなかった。あの狭い後口に突き勃てて、思うまま揺さぶりたい。あの中でイきたい。でないと体が満足出来そうになかった。
(イルカを抱きたい…。)
 欲求ではち切れそうになる。
「……テンゾウ」
 布団から顔を出すとテンゾウを呼んだ。
「……なんですか」
「ちょっと頼まれてくれる?」
 怒鳴り散らした後だ。不審そうに顔を歪めるテンゾウをチョイと手招きした。


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