あなぽこ 1
向かい合って座ったまま口吻けを交わす。
下ろした髪に指を絡めて引き寄せ、口吻けを深いものにすれば、「んっ」と吐息が唇に触れた。
「あっ、カカ・・・っ」
下穿きの中に手を滑り込ませゆるゆると扱き上げれば、指の輪を広げるようにクンとイルカ先生が張り詰めた。
はっ、はっと忙しなく熱い息を吐き出すために開かれた唇に舌を滑り込ませる。
一本一本歯列を辿りながら、そのツルツルした感触を楽しんでいるとイルカ先生の腰が揺れだした。
(そろそろ限界・・・カナ?)
ここでいたすか、ベッドに移動するか。
逡巡している間に、舌先が僅かなひっかかりを捕らえた。
(ん?)
右側の前歯、歯の付け根。
舌で何度もなぞって確かめる。
擽ったかったのかイルカ先生が震える息を吐いた。
動きを止めて、唇を捲る。
「やぁ・・なんでぇ・・・」
可愛い抗議を上げるのに動きを再開した。でも、
「イルカセンセ、ここんとこ虫歯出来てるよ?」
つんつん舌で突付きながら言うと、その瞬間、手の中のイルカ先生が項垂れ、瞳に正気が戻った。
(あれれ?)
「そんな筈・・・ありません。俺、ちゃんと歯、磨いてます」
ぎゅうっと眉間に皺を寄せ、膝から降りる。
「えっ、どこ行くの?」
肩を押し、立ち上がって洗面所に消えるのに呆気に取られた。
「・・・・まいったな」
何気ない一言だったのに、返って来た強い反応に臍を噛む。
項垂れて下肢を見下ろした。
(どーすんのよ、コレ)
後を追って洗面所に入れば、イルカ先生が鏡に向かってイーっと唇を開いている。
「そんなに気にしなくてもそれぐらいだったら一回の治療で治るよ」
背中に張り付いて耳元に吹き込む。
「ネ、続きシよ?」
すっかり整えられたパジャマの裾から手を入れて胸に手を這わせるが、腕の中でイルカ先生が身を捩った。
「すいません・・・今日は寝ます」
とぼとぼ寝室に向かうのに無理強いは出来ない。
溜息を吐いてトイレに篭った。