傾城の王子様A candy drop sample




 枕に顔を埋めてカカシさんの匂いを探すが、俺の匂いしかしなかった。
 あの日使ったシーツや布団カバーは、いろんな体液でドロドロになったので洗ってしまった。
 こんなことなら何か置いておけば良かった。カカシさんの使ったタオルとか着ていた忍服とか。
 カカシさんの匂いが恋しい。
 もぞ、と布団の中に手を入れて足の間に触れた。いろいろ思い出している内に勃ってしまった。
 それに今日はまだ出して無かったし。これは男の日課だ。
 体を起こして、ベッドから降りた。
 シロキチの寝床を覗けば、体を丸めて寝ている。そっと寝床を持ち上げて、寝室の外に出した。
 寝床は段ボールで作ったから、軽くて移動が楽だ。
 シロキチに、俺が何をしているかなんて分からないだろうが、じっと見ていたことがあった。例えシロキチでも、見られるのは恥ずかしい。
 以来一人でする時は、シロキチを外に出すようにしている。
 前に外に出したシロキチが部屋の中に入ろうと、必死で襖を引っ掻いた事があった。その時は異変を感じたのかと、シロキチを抱いて一時間ほど警戒していたが、何も起らなかった。
 シロキチの行動は良く分からない。今思えば、寝ているところを起こされて、怒っていたのかもしれない。
 シロキチを起こさずに移動出来て、ホッとベッドに戻った。布団を被り、中で下着ごとパジャマを下ろした。
 手で性器を掴んで上下する。すぐに気持ち良くなって、とろんと瞼を閉じた。カカシさんがココにどんな風に触れてきたか思い起こす。
 カカシさんは大きな手で俺の性器を包んだ。カカシさんの手はオレより大きくて、握ると半分以上は手の中に入った。指の感触も違った。カカシさんの指は長くて、しなやかに動いた。
 俺が勃起するとカリを苛んだ。親指でグリグリ押したり、中指と親指で作った輪っかで先端を締め付けながら、人差し指で鈴口を引っ掻いたりした。
 それをされると、いつも声が抑えられなくなる。
 カカシさんの手はとても器用だった。胸も、小さな乳首を器用に転がした。
 乳首なんて何も感じなかったのに、カカシさんに触られるようになってから、とても敏感になった。自分で触っても感じる。
 俺は仰向けになって、性器を擦りながら乳首も弄った。指先でぎゅっと押し潰すと甘く痺れた。カカシさんがしてくれたみたいに、指先で挟んで捏ねた。
 快楽が増して、性器が張り詰めた。先走りが溢れて手を濡らす。
 でも、どこか物足りなさが纏わり付いた。切なくて、集中してカカシさんを思い出す。



※シロキチは前に「カカシ」って呼んでいたハリネズミです。
長期任務に出たカカシの帰りをハリネズミと一緒に待つイルカや、カカシと暮らしたいイルカのお話しです。



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